仮想通貨 最終更新日: 公開日:
本記事では、仮想通貨の特徴や種類を紹介し、それらを用途別に一覧表で比較していきます。
今や数千もの種類がある仮想通貨ですが、それらの違いがすぐにわかるよう解説しています。
目次
仮想通貨とは、インターネット上で価値の交換をしたり、モノやサービスの購入に利用する事が出来る新しい「お金」であり、「サトシ・ナカモト」と呼ばれる謎の人物がインターネット上で「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」と呼ばれる論文を投稿した事をきっかけに、世界初の仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin/BTC)」が2008年に誕生しました。
また、仮想通貨は英語で「Cryptocurrency(暗号通貨)」と呼ばれており、ビットコイン以外にも「リップル(Ripple/XRP)」「イーサリアム(Ethereum/ETH)」といった仮想通貨が存在しています。
>>>仮想通貨の仕組みやメリット、種類についての詳しい解説はこちら!
2018年12月5日現在、仮想通貨の数は合計2,000種類を超えています。
※参考:coinmarketcap
仮想通貨の数は月日を重ねる毎にどんどんと拡大しており、最初に誕生した仮想通貨であるビットコインの弱点を補う通貨や、それとは全く異なった性質を持つ通貨まで、その種類は様々です。
なお、仮想通貨を新しく発行する事自体は比較的簡単であり、代表的な仮想通貨イーサリアム(ETH)等のプラットフォームを活用すれば、開発者はイーサリアムのブロックチェーンに準拠した仮想通貨(トークン)を安易に発行出来るのです。
さて、2,000種類以上の通貨が出回っている仮想通貨市場ですが、2018年12月5日現在、その市場シェアを見ると、全体の内のおよそ54%がビットコインである事が分かります。
このように、仮想通貨市場の多くはビットコインで占められている事から、ビットコインは仮想通貨市場の「基軸通貨」的な役割を担っており、それは法定通貨の世界で言う「米ドル」のようなものです。
なお、ビットコイン以外の仮想通貨の総称を「アルトコイン(Altcoin)」と呼んでおり、ビットコイン以外の全ての仮想通貨は「アルトコイン」といった分類に属する事となります。
また、アルトコインという呼び名は「Alternative Coin(代替えコイン)」を略したものであり、ビットコインを代替えしたコインという意味に因んでいます。
2,000種類以上も存在する仮想通貨ですが、各通貨の特徴や使用用途は大きく3つに分類する事ができ、それが以下です。
では、それらを順に解説していきます。
決済型仮想通貨とは、主に商品やサービスへの支払いの為に利用される通貨の事を指します。
決済型仮想通貨は現在世の中に浸透している「お金」と同じような役割を果たす事を目指しており、決済型として代表的な仮想通貨が「ビットコイン(BTC)」や「ビットコインキャッシュ(BCH)」などです。
日本でも「ビックカメラ」や「メガネスーパー」などでビットコインによる決済が」可能となっており、ネットショップでもビットコイン決済が可能なサイトが増加してきました。
このように、既存のお金の代替えとなる事を目指しているのが「決済型」の仮想通貨です。
送金型仮想通貨とは、個人・法人の間で国内・国外での送金の為に利用される事を目的とした通貨です。
特に既存の「国際送金」においては、各国の複数の金融機関を介在する必要がある為に、送金手数料が高く、かつ送金時間の遅延が問題となっていました。
しかし、送金型仮想通貨はそのような問題を解決し、国際送金を低コストで迅速に行えるようにします。
なお、この送金型仮想通貨として代表的なのが「リップル(XRP)」や「ステラ(XLM)」などであり、特にリップルでは、2018年12月現在世界を代表する金融機関を含む200社以上がリップルの国際送金システムである「RippleNet」へと参加しています。
プラットフォーム型仮想通貨とは、上述した「決済型」や「送金型」の通貨とは異なり、ブロックチェーンプラットフォーム上で様々なトークンやアプリケーションを作成出来る事を目的とした通貨です。
このプラットフォーム型仮想通貨として最も代表的なのが「イーサリアム(ETH)」であり、ブロックチェーンを用いて様々な契約を自動執行出来る「スマートコントラクト」を活用して、現在たくさんのアプリケーションがイーサリアム上で生み出されています。
では、各仮想通貨を「決済型」「送金型」「プラットフォーム型」の3つに分類した一覧表で比較していきましょう。
決済型 | 送金型 | プラットフォーム型 |
---|---|---|
ビットコイン(BTC) | リップル(XRP) | イーサリアム(ETH) |
ビットコインキャッシュ(BCH) | ステラ(XLM) | イオス(EOS) |
ライトコイン(LTC) | モネロ(XMR) | カルダノ(ADA) |
ビットコインSV(BSV) | ダッシュ(DASH) | ネム(NEM/XEM) |
なお、厳密にはビットコインで送金をしたり、イーサリアムで決済をしたりする事も可能なので、これらはあくまで大まかに用途を3分類したものとして表しています。
また、送金型に分類されている「モネロ(XMR)」や「ダッシュ(DASH)」などは送金以外にも「匿名での送金が出来る」という機能が備わっているので、「匿名型通貨」としても分類する事が出来ます。
では、上記で紹介した代表的な仮想通貨をそれぞれ以下で解説していきます。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは、ブロックチェーン技術を用いた世界初の仮想通貨であり、政府や中央銀行にコントロールされない電子取引通貨として2009年に誕生しました。
ビットコインは、ブロックチェーン技術によって管理者が存在しない分散型の通貨として流通しており、その取引記録はブロックチェーンの性質上内容を改ざんする事が極めて困難となっています。
なお、ビットコインは様々な著名人によって将来「価格が上昇する」と予想されており、仮想通貨界の大物であるJohnMcAfee氏には「2020年に100万ドル近くになる」とも予測されています。
リップル(Ripple/XRP)とは、ブロックチェーンを用いて銀行間の国際送金の問題を解決し、送金や決済を安価に、そして迅速に処理出来るようにする為の仮想通貨です。
このリップルは2018年11月に時価総額がイーサリアムを超えて2位になった事で話題となりましたが、その規模は2018年12月5日現在で1.6兆円にも及びます。
なお、リップルは2018年12月現在、米Ripple社の国際送金システムである「RippleNet」への参加企業数が200社を超えており、金融機関による実用化が近づいている期待度の高い仮想通貨です。
イーサリアム(Ethereum/ETH)とは、スマートコントラクトを用いてあらゆる分散型アプリケーション(Dapps)の開発やICOトークンの発行ができるブロックチェーンプラットフォームです。
イーサリアムは「プラットフォーム型仮想通貨」の代表格として位置していますが、現在1,000を超えるイーサリアムベースのアプリケーションが生まれており、その時価総額は3位となっています。
また、イーサリアムの代表的な技術仕様である「ERC20」を採用したICOトークンも多く仮想通貨市場に流通しており、ICOトークンの内の95%がイーサリアムだという結果も算出されました。
出典:ICORating
ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)とは、2017年8月にビットコインからハードフォーク(分裂)して生まれた仮想通貨であり、既存のビットコインの問題を解決する為に生まれました。
このビットコインキャッシュは、ビットコインの元々のブロックサイズであった1MBから8MBへと拡大しましたが、さらに2018年5月には8MBから32MBへと変更し、1ブロック辺りの取引処理能力を向上させています。
なお、ビットコインキャッシュは2018年11月16日に開発者の対立によってハードフォークが行われており、それによってビットコインキャッシュから新たに「ビットコインSV(BitcoinSV/BSV)」と呼ばれる通貨が誕生しました。
>>>ビットコインキャッシュの仕組みや将来性についてはこちら!
ステラ(Stellar/XLM)とは、リップルを基盤に開発された、個人間の送金や決済に用いられる事を目的とした「送金型」の仮想通貨です。
このステラは2018年12月5日現在、仮想通貨市場の時価総額で第4位に位置しており、米大手IT企業である「IBM」と提携し、独自の決済システムを構築した事でも話題となりました。
なお、ステラは個人間の送金に特化している為に、同じ送金型の仮想通貨であるリップルと今後共存していく事が予想されています。
EOS(イオス)とは、分散型アプリケーション(Dapps)を構築する為の「プラットフォーム型」の仮想通貨であり、2018年6月にイーサリアムのブロックチェーンから独立し、メインネットをローンチしたプロジェクトです。
このイオスは2017年6月より1年間かけてICOが行われ、その調達額は42億ドル(約4,600億円)にも及びました。
出典:coindesk
なお、イオス上で構築されるアプリケーションの数は日々増えており、界隈では「イーサリアムキラー」と呼ばれる存在ともなり、その将来性が高く買われている通貨の一つです。
EOSIO Dapp Ecosystem is growing #eosio pic.twitter.com/YGVcrNiPnu
— Daniel Larimer (@bytemaster7) June 1, 2018
以上が仮想通貨の特徴や種類についてでしたが、仮想通貨には大きく3つの仕様用途があり、各通貨の種類ごとに将来性を読んで行く必要があります。
例えば、決済型の通貨であれば「支払いに対応された店舗があるか」、送金型の通貨であれば「金融機関との提携状況はどうか」、プラットフォーム型の通貨であれば「そこでどの程度アプリケーションが開発されているか」など、各通貨の特徴によって重要な指標は異なっています。
それぞれの通貨の特徴を理解した上で、投資を行ってみては如何でしょうか。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。