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本記事では、EthereumClassic(イーサリアムクラシック/ETC)の仕組み・今までの価格推移・将来性についてを解説するので、今後購入する際の参考にしてください。
目次
出典:https://ethereumclassic.github.io/
EthereumClassic(イーサリアムクラシック/ETC)とは、Ethereumのハードフォークによって誕生した仮想通貨です。
このEthereumClassic(以下ETC)は最近米大手仮想通貨取引所のCoinbaseにも上場した事で注目を集めましたが、まずその基本情報を見ていきます。
ETCは現在時価総額第15位に位置しており、その規模はおよそ1,200億円程度となっています。
本家のイーサリアムは現在時価総額が2.2兆円となっており、現在ETCはそのおよそ18分の1程度の規模ですが、今後はそれがひっくり変える可能性も無くはありません。
ETCは2016年の「THE DAO事件」をきっかけにイーサリアムのハードフォークから誕生しています。
THE DAO(Decentralized Autonomous organization)とは、管理者を不在の「自律分散型組織」の事であり、ブロックチェーンを用いて非中央集権型の投資ファンドを組成していました。
このDAOはイーサリアムベースでETHが使用されていたのですが、2016年に何者かの不正送金によって約65億円分のETHが盗難されてしまったのです。
そしてこれが、「THE DAO事件」と呼ばれた盗難劇です。
ハッキングによって大量のETHが盗難されたのですが、コア開発者の間では「ハッキングされたETHの履歴をどうするか」についてが議論されました。
そもそもブロックチェーン上の取引履歴は透明性が高く、過去の履歴は全てクリアに残ってしまいます。
そこで、既存のチェーンとは互換性の無い新しいチェーンに分岐させる「ハーフドフォーク」が提案されたのです。
論争の結果、ハッキングの跡が全て無くなった「新しいイーサリアム」が誕生し、過去のハッキング履歴が残った「イーサリアムクラシック」も同時に誕生したのです。
ではEthereumClassicの仕組みについて解説していきます。
ETCでは「サイドチェーン」と呼ばれる技術が実装されます。
サイドチェーンとは互換性の無い複数の異なるブロックチェーンを繋ぎ合わせ、そのトランザクションをスムーズにして手数料コストを削減出来る技術です。
そしてそのETCのサイドチェーンの中核にあるのが「SputnikVM」と呼ばれるプロトコルであり、これによって独立したチェーンを用いて取引処理の迅速化、手数料コストの削減、そしてIoTデバイスや分散型アプリケーション(Dapps)をより開発し易くする事が出来ます。
ETCにはイーサリアムと同様に「スマートコントラクト」によって、あらゆる契約を自動執行出来るようになります。
スマートコントラクトも上述したSputnilVMによってあらゆるブラウザで組み込む事ができ、今後活用が期待されているIoT(Internet of Things)にてETCのブロックチェーンを活用出来るようになります。
では、イーサリアムクラシックと本家のイーサリアムとでは何が違うのでしょうか?
ETCの誕生の背景は上述しましたが、他にも用途の違いやその供給量についての違いがあります。
まず、本家イーサリアムはDappsやICOトークンを構築するプラットフォームとして現在活用されています。
しかし、ETCは上述したように、主にIoTデバイスに特化したプラットフォームデバイスなんですね。
また、その供給量について、ETHには発行上限が存在していませんが、ETCは発行上限が2億3,000万ETCと決まっています。
そしてETCはマイニングによる通貨報酬の半減期も定められており、50万ブロック毎に報酬が20%ずつ減少していきます。
マーケットの理論通りに行くと、供給量が減って行くとその市場に流通しているモノの価値は上がるので、半減期を迎えると価格上昇の可能性があると言えます。
なお、イーサリアムは上限が決められておらず、マイニング報酬の半減期もありません。
しかし、現在イーサリアムでは想定していたよりも多くETHが供給されている状態であり、コア開発陣によってそのマイニング報酬を3ETHから2ETHへと引き下げようとしています。
次にETCの価格推移を見ると、多くの通貨が2018年1月頃のピークを界に下落していますが、ETC他の通貨とは異なり2月下旬に再びピーク値まで価格を戻しています。
また、現在は1ETC=10〜11ドルで推移しており、昨年の11月頃と同水準となっています。
では、価格変動が大きかった過去のトピックとその動きを振り返っていきましょう。
ETCは2017年12月12日に上述したマイニング報酬の半減期を迎える予定となっていましたが、それを受けて11月の下旬頃からETCが高騰を魅せていました。
その価格はわずか一日で60%を超える上昇となったのですが、このようにETCは半減期というファンダメンタルもあるので今後の動向にも注目です。
2018年8月8日、ETCは米大手取引所であるCoinbaseに上場しました。
元々2018年6月に同取引所はETCを新たに上場させると発表していたのですが、8月4日にCoinbaseのエンジニアリングチームが上場に向けた最終調整を開始したと発表しました。
そもそもCoinbaseは企業価値が80億ドルを超えている「クリプトユニコーン」と呼ばれている企業であり、上場銘柄は5種類のみ、そして今後は銀行ライセンスの取得も目指しています。
そんな大手の取引所への上場が決まったETCは8月4日に数時間で10%以上の高騰、そしてその後も3日間で20%近い上昇となりました。
では、EthereumClassicの将来性はについて述べていきます。
第4次産業とも呼ばれているIoTですが、そのマーケットは2018年に7,000億ドルを超えており、今後2020年には1兆ドルに達するとも言われています。
IoTデバイスには自動車、交通機関、物流、農業など、私達の生活を支える分野での活用が予想されていますが、そのような大きなマーケットでETCの活用が進めば、ETCの規模拡大も見込めます。
ETCは、イーサリアムの共同創業者が設立したエンジニアリング企業「IOHK」がETCのプロジェクトに参画しました。
現在アルトコイン市場は開発ロードマップ通りの計画をより正確に進めていくといった熾烈な争いが繰り広げられていますが、これによって今後より開発スピードが更に上がる期待が出来ますね。
更にETCは今回Coinbaseに上場した事で、今後大口の機関投資家の投資対象となる可能性も大いにあります。
Coinbaseは独自の上場審査を行なっており、その法的リスク等についての評価かなり厳格に行なっています。
そしてもしもそのCoinbaseで今後機関投資家がマーケットに参入するとなれば、そのポートフォリオにETCが組み込まれる事も夢ではありません。
ETCの購入に当たって最もおすすめなのは世界最大級の取引所であるBinanceです。
Binanceは以下の通り、ETCの全体の流通におけるおよそ8%を占めています。
他にもボリュームが多いの取引所は「EXX」や「OKEx」などもありますが、「信頼性・手数料・使いやすさ」の観点から最もおすすめ出来るのはBinanceなんですね。
Binanceは手数料が0.1%と最安値の水準であり、その信頼は非常に高いと言えるからです。
また、Binanceでは日本円での取引が出来ないので、EOSを購入する場合は最初に日本の取引所でBTCを購入し、その後BinanceにBTCを送金するようにしましょう。
そして、その他の取引所に関しては以下の通りです。
EXX | ABCC | OKEx |
Bit-Z | BitForex | Bitfinex |
なお、上述したCoinbaseは現在日本人向けへのサービスは開始していません。
次にETCを保管するウォレットについてですが、最もおすすめなのは「MyEtherWallet」です。
MyEtherWalletはETC以外にもイーサリアムや多くのERCトークンを保管できるので、「利便性」という観点からは非常に優れていると言えるでしょう。
よってウォレットを各通貨毎に別々で保管するのが面倒な場合は、ETHとまとめて保管が出来るMyEtherWalletがおすすめです。
また、その他のETCを保管出来るウォレットは以下の通りです。
オンラインウォレット
ソフトウェアウォレット
ハードウェアウォレット
以上がETCについてでしたが、ETCは本家イーサリアムの元々のチェーンを残した仮想通貨であり、「ETCこそが本来のイーサリアムネットワークだ!」と考える開発者もいます。
執筆現在、本家イーサリアムの価格は200ドルを割っているのですが、今後のETHの施策結果によってはETCに軍配が上がる事も考えられるでしょう。
また、Coinbaseのみならず、手数料無料の仮想通貨取引アプリである「Crypto Robinhood」でも最近取り扱いが開始されています。
今後仮想通貨市場の更に上位を食い込む可能性があるETCには要注目でしょう。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。