仮想通貨 最終更新日: 公開日:
本記事では、仮想通貨IOTA(アイオタ)の仕組み・今までの価格推移・将来性についてを解説するので、今後購入する際の参考にしてください。
目次
出典:IOTA
IOTA(アイオタ)とはIoT(Internet of Things)デバイスに特化した仮想通貨であり、「Tangle」と呼ばれる技術を用いてデバイス間で行われる少額決済を迅速且つゼロ手数料で実現出来ます。
大手企業とも提携を交わし注目を集めているIOTAですが、その基本情報を以下より見ていきます。
このIOTAは2018年9月現在時価総額第11位に位置しており、その規模はおよそ2,170億円にも及びます。
この順位は日々変動していますが、依然IOTAは時価総額ランキング上位をキープしています。
IOTAは2015年12月にICOによっておよそ3億円を調達してスタートし、その後の2016年6月にBitfinexに上場して以降市場に流通するようになりました。
その管理や運営はドイツを拠点とする非営利団体である「IOTA Foundation」によって行われており、IOTAプロトコルによる経済圏の拡大を図ります。
出典:IOTA
IOTAは上述した通りIoTデバイスにおける決済などのネットワークに用いられる仮想通貨を目指しています。
そのユースケースはスマホのみならず、お店の決済用のデバイスや車のナビゲーター、サプライチェーンを管理するIoTデバイスなどと様々です。
そこで、それらのデバイスでIOTAによる超少額決済「マイクロトランザクション」を実現化させる事が根底にある為に、代表的なビットコインとは異なりIOTAは本来のブロックチェーンとは違った「Tangle」と呼ばれる技術を採用しているのです。
よって、IOTAは使用用途もその仕組みもビットコインとは違っているのですね。
では、何度も文中に登場してきたTangleとはどのような技術なのかを解説します。
Tangleは代表的なパブリックブロックチェーンとは異なり、「DAG(Directed acyclic graph)」と呼ばれるメカニズムをベースにした技術です。
このDAGはブロックチェーンに代わる技術として注目されていますが、取引データをブロックにまとめずに取引データ単体でチェーン状に連ねる事で、その取引処理を高めて手数料の削減に繋げる事が出来ます。
出典:IOTA
このように、ブロックの生成に10分必要なビットコインのブロックチェーンとは違い、マイニングも不要で即座に取引の承認が行われるように設計されています。
なお、今回DAGの詳しい技術解説は割愛するとします。
Tangleでは上述したDAGのメカニズムを用いて超少額決済を実現化させます。
少額決済を実現化するにあたって最も重要なのは手数料コストであり、100円のトランザクションに100円以上の手数料が掛かってしまっていては話になりません。
ですが、このTangleはマイニングが不要で取引を行うノード自身がその取引の承認を行うので、手数料をゼロに抑える事が可能となります。
IOTAではIoTデバイス間でのデータ通信や決済などに用いられる事から、強固なセキュリティ性も固められている事が特徴です。
上述したようにブロックに取引データをまとめていない分迅速な取引処理が可能となりますが、それに加えて既存のブロックチェーンと同様にデータの改ざんや外部からのハッキングを不可能とする事が出来ます。
次にIOTAの価格推移を見ると、2017年12月に1MIOTA=500円程を付けましたが、現在はその価格も縮小しており、1MIOTA=70〜80円程度で推移しています。
当初1MIOTA=70円程で市場に出回ったIOTAですが、ここ1ヶ月の価格は昨年の11月あたりの水準となっているのが現状です。
では、価格変動が大きかった過去のトピックとその動きを振り返っていきましょう。
2017年12月はIOTAがマイクロソフトや富士通、そしてその他にも20を超える企業と提携し、IoTの為の新たなマーケットプレイスを開拓していくとの発表がなされました。
この大手企業との提携によって投資家の買いが集まり、昨年の12月上旬は1週間でおよそ4倍にも高騰しました。
しかしその後、この提携のトピックは厳密に言うと正式な「提携」ではなくあくまで「参加」であったとの訂正が発表された事から、その価格上昇のトレンドはストップしてしまいました。
2018年8月24日、IOTAは上述した富士通がIOTAを標準的なプロトコルとして採用する事を発表しました。
"Fujitsu is well-equipped to help roll out #IOTA as the new protocol standard
as we are experts in both IT services and the manufacturing of IT products" – Leopold Sternberg, Program Manager, #Industry40 Competence Center, #Fujitsu. @Fujitsu_DE @iotatoken pic.twitter.com/6gybO1Hy8C— IOTA News (@iotatokennews) August 24, 2018
富士通は日本の大手IT企業ですが、今回の発表によって今後IT製品のインフラやサプライチェーン等におけるデータ媒体としてIOTAが活用される可能性が高まりました。
今回のトピックは特段IOTAの価格への反応はありませんでしたが、日本の大手企業が携わるプロジェクトとして重要なファンダメンタルになったと言えるでしょう。
では次にIOTAの将来性について見ていきます。
第4次産業革命とも言われているIoTですが、「モノのインターネット化」の広がりは既に私達の生活を劇的に変えています。
特に今当たり前に普及しているスマートフォンなどは写真や電卓、地図などと言ったあらゆる「モノ」を電子デバイスに格納してしまいました。
このようにあらゆるモノのネット化はどんどんと進展しており、同時に今後は価値(お金・支払い)のインターネット化も普及していくでしょう。
そんな中、このIOTAプロジェクトがその架け橋となる事が出来れば、IOTAの将来価値は一気に高まる事となるかもしれません。
IOTAは上述した通り日本の大手企業である富士通に標準プロトコルとして採用される事が発表されており、今後も他のIT関連の企業との提携が期待出来ます。
また、IOTAはIOTAプラットフォームを利用した自動車のデータアプリケーションである「Digital CarPass」のプロジェクトをドイツのフォルクスワーゲンと取り組んでおり、それは今後一般向けに公開される予定ともなっています。
このように今後も引き続き幅広い関連企業との提携が期待される事から、IOTAはビットコイン等の仮想通貨の値動きに影響されづらくなる可能性が高いと言えるでしょう。
実際に8月下旬以降はIOTAに大きな動きがあり、ビットコインのボラティリティを上回る水準で推移していました。
出典:tradingview
IOTAの購入に当たって最もおすすめなのは世界最大級の取引所であるBinanceです。
Binanceは以下の通り、IOTAの全体の流通におけるおよそ45%を占めています。
他にもボリュームが多い取引所はBitfinexもありますが、同取引所はUSDペアでの取引が大半となってます。
なお、Binanceは手数料が0.1%と最安値の水準であり、その信頼は非常に高いと言えるでしょう。
また、Binanceでは日本円での取引が出来ないので、IOTAを購入する場合は最初に日本の取引所でBTCを購入し、その後BinanceにBTCを送金するようにしましょう。
そして、EOSを購入出来るその他の取引所は以下の通りです。
OKEx | Bitfinex | Exrates |
FCoin | Gate.io | CoinFalcon |
IOTAのウォレットはオーソドックスなデスクトップウォレットである「IOTAライトウォレット」がおすすめであり、それはMac、Windowsのいずれからもダウンロード可能です。
なお、同ウォレットはIOTAの公式Githubからダウンロードする事が出来ます。
出典:github
ダウンロードした後はMacの場合は以下の画面からAppをドラックしてファイルへ入れましょう。
また、他にもIOTAのウォレットとして最近ベータ版がリリースされた「TrinityWallet」は、デスクトップ以外にもモバイル版のウォレット機能も搭載している為に便利に利用する事が出来ます。
以上がIOTAについてでしたが、IOTAは既存のブロックチェーンと違ったTangleという技術を用いて「マイクロトランザクション」を実現させる仮想通貨です。
第4次産業革命と言われるIoTの市場規模は2018年に7,000億ドルを超えており、2020年には1兆ドル規模に達するとも言われています。
そのような市場で、IOTAがどのように新たな市場を開拓するのかに注目です。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。