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本記事では、仮想通貨Ripple(リップル/XRP)の仕組み・今までの価格推移・将来的性について解説するので、今後購入する際の参考にしてください。
目次
仮想通貨Ripple(リップル/XRP)とは、ブロックチェーンを用いて銀行間の国際送金の問題を解決し、送金や決済を安価に、そして迅速に処理出来るようにする仮想通貨です。
では、そんなリップルの基本情報を見ていきましょう。
2018年9月現在リップルの時価総額は3位に位置しており、市場に流通しているリップルの時価総額はおよそ1.2兆円となっています。
一時期は4位のBitcoin Cashに時価総額を追い抜かれた事もありましたが、その後しばらくの間は不動の3位として位置されています。
国際的な送金市場は政府や各銀行間による様々な制約や政治的な事情があり、過去40年間その送金システムはほとんど進展がありませんでした。
銀行にとってはこれが既得権益となり、過度なリスクテイクをしてまで既存のモデルを変える必要が無いからです。
しかし、ある日このインフラを丸ごと変えてしまおうと、プログラマーであるRyan Fugger氏が決済プロトコルである「RipplePay」をビットコインの考案よりも早い2004年に開発しました。
これがRippleの始まりです。
その後、そのRippleは現在の「Ripple社」へと譲渡され、同社の創業者であるクリス・ラーセン氏が主となってリップルの中核となる「リップル・ネットワーク」の開発を進めて行ったのです。
そんな国際送金の代案モデルとして注目されているRippleは、2013年にネットワーク内で流通する通貨である「XRP」の配布を開始し、それが現在に至ります。
出典:Ripple
では、Rippleの仕組みについて解説していきます。
リップルは主に銀行間の送金や決済に特化した仮想通貨ですが、「ILP(インターレジャープロトコル)」と呼ばれる規格を用いてその送金を効率化させます。
ILPとは、法定通貨と仮想通貨などの異なる台帳を繋ぎ合わせて価値の移動を迅速且つ低コストで行うプロトコルです。
例えばビットコインにはビットコインの台帳(ブロックチェーンネットワーク)があり、銀行には銀行の台帳(銀行ネットワーク)がありますよね。
これらを接続する事によって、「お金」をインターネットのように高速で安く移動す事が可能となるのです。
よって、これが「価値のインターネット化(IoV)」とも呼ばれています。
まず前提として、リップルでは「XRP」と呼ばれる仮想通貨がネットワークとは別に存在しており、それは送金時に通貨同士を繋ぐ「ブリッジ通貨」として機能します。
そして、そのXRPは「XRP Ledger」と呼ばれる送金や決済の取引データを記録する為の分散型台帳で活用され、これがビットコインで言う改ざん困難な「ブロックチェーン」の部分にあたります。
そしてXRP Ledgerでは独自のアルゴリズムを採用しており、「バリデーター」と呼ばれる、ネットワーク内でも信頼の出来るノードがトランザクションを検証します。
これによって、ビットコインのPoWのようなアルゴリズムとは違って取引の承認を安全且つ迅速に行う事が出来るのです。
では次にリップルとビットコインとの違いを見ていきましょう。
まず大きな違いとして、両者の発行体の有無があります。
リップルのXRPは中央管理者としてRipple社がリップルネットワークを開発し、XRPを管理しています。
しかし、ビットコインの場合はそもそもそれを管理している企業などは存在しておらず、分散型で管理者不在の仮想通貨です。
このように、管理主体の有無で両者は異なっています。
次に送金の高速性や取引の処理能力の違いを見てみましょう。
リップルでは上述したように独自のコンセンサスを用いている為、その送金はわずか4秒で完了するとされています。
出典:Ripple
それに対してビットコインは1時間以上と表記されていますね。
なお、ビットコインは1秒間に最大7件のトランザクションしか処理できないとされていますが、XRPの場合は1秒間に1,500件のトランザクション処理が可能とされており、そのスケーラビリティはXRPがダントツで高くなっています。
出典:Ripple
このようにリップルとビットコインはそれぞれ異なった性質を持っており、リップルは管理者を置いてビットコインの「分散型」の思想は取り除き、利便性に特化させている仮想通貨だと考える事が出来ます。
次にXRPの価格推移ですが、昨年の2017年12月は日韓の金融機関がリップルネットワークを使った国際送金の実証実験をしたり、タイのアユタヤ銀行が石油化学企業との決済にリップルネットを採用したりと、全体の相場が盛り上がる中多くのファンダメンタルズがあり、その価格は1ヶ月で約15倍にも膨れ上がりました。
しかし、XRPは2018年1月にピークとなる3.8ドルを記録した後に急激に価格を下げ、現在は1XRP=0.0.2〜0.3ドルで推移しています。
では、その後の2018年に起こった出来事等を振り返って見ましょう。
2018年1月11日、リップルは米大手決済サービスのマネーグラム社と提携を交わしました。
マネーグラム社とは、ニューヨーク証券取引所に上場しており、世界各国に35万を超える代理店を構える巨大カンパニーです。
出典:MoneyGram
この提携によってXRPの価格は1時間で約30%の高騰を魅せました。
2018年4月13日、スペインの国際銀行であるサンタンデール銀行はリップル社と提携した国際送金サービスアプリ「One Pay FX」をリリースしました。
サンタンデール銀行は世界トップクラスの国際銀行ですが、今回リリースされたアプリによってヨーロッパ諸国やブラジル、スペインなどでのアプリによる国際送金が可能となり、その狙う市場は100億ユーロ(約1.3兆円)と発表されていました。
そんな同アプリがリリースされた4月13日の前日からXRPは高騰し、およそ1週間で80%近い高騰を魅せました。
では、リップルの将来性について見ていきましょう。
このリップルのプロジェクトには現在複数の大手金融機関が興味を示しており、実際に上述したサンタンデール銀行は国際送金用のアプリまでリリースしました。
そして、日本でも大手金融機関であるSBIホールディングスの傘下にある「SBI Ripple Asia」が窓口となった「内外為替一元化コンソーシアム」というスキームが立ち上げられており、国内の金融機関を取り囲んだリップル・ネットワークの拡大を図っています。
なお、金融機関を取り巻く送金インフラの構築には絶対的な信頼が欠かせない為に、ビットコインとは違って管理主体が存在するリップルの優位性は高いと言えます。
リップルにリバタリアン的な発想はありませんが、全てが「信頼」で成り立つ金融機関にとっては、リップルの営業力や政治力に絶対的な優位性があると筆者は考えています。
このリップルに対しては大きな価格上昇を予想する専門家も多く、新興企業向けの米証券であるNASDAQ(ナスダック)は2018年12月までに急上昇して1ドルを超えて数年で5ドルを超えるようになるといった予想を発表しており、海外のメディアであるRippleCoinNewsでは2018年の内に8〜10ドルになると予想されていました。
そして、日本のSBIホールディングスのCEOである北尾吉孝氏は同社の決算説明会にて「グループ総力を挙げてXRPを上げる」とも主張していました。
現在のXRPの価格は日本円でおよそ20〜30円程度ですが、市場に出回っているXRPの時価総額は大体1.2兆円程度です。
国際貿易市場は1,000兆円を超えている事から、まだまだXRPのポテンシャルに期待出来ると考えられます。
では、リップルを購入出来るおすすめの取引所を紹介します。
リップルの購入で最もおすすめなのは日本の取引所である「bitbank」です。
出典:bitbank
bitbankはリップルを販売所形式ではなく「取引所形式」で購入することができ、取引手数料が無料且つ日本円で購入することが可能です。
更にbitbankは対日本円で1日の取引高が30億円を超えており、世界的にも大規模な流通量となっているんですね。
なので、リップルの購入はbitbankがおすすめです。
bitbankの他にも、QUOINE社が運営する「Liquid」や、ビットポイントジャパンが運営する「BITPoint」などでリップルを対日本円で購入出来ます。
特にBITPointでは手数料が無料となっておりお得に取引が出来るんですね。
また、その他リップルをBTCやUSDT(テザー)で購入出来る海外取引所は以下の通りです。
ZB.COM | Binance | OKEx |
MBAex | CoinBene | FCoin |
最後にリップルを保管出来るおすすめウォレットを見ていきましょう。
出典:Ginco
Gincoとは日本の株式会社Gincoが提供するウォレットであり、iOSとAndroidの両方に対応したモバイルウォレットです。
同ウォレットは日本発なので日本語に完全対応しており、見やすい画面でXRPのみならず、BTCやETHも保管出来る利便性があります。
出典:App Store
なお、Gincoは独自の暗号通信を用いたクライアント型ウォレットとなっており、秘密鍵を自分で管理するので中央サーバーのハッキングによる通貨盗難の恐れがありません。
また、その他のリップルを保管出来るウォレットは以下です。
デスクトップ型ウォレット
モバイルウォレット
ハードウェアウォレット
以上がリップルについてでしたが、このリップルが40年近く同じシステムを利用し続けている国際送金のインフラを変革することが出来れば、XRPの価値は今以上の価格へと成長するでしょう。
そして、日本のSBI Ripple Asia率いるコンソーシアムの発展や、SBIバーチャルカレンシーズでのRipple取り扱いの拡大にも期待したい所です。
ややバブリーな価格チャート形成したXRPですが、1,000兆円を超える国際貿易市場にどこまで食い込んでいくかが鍵となりそうです。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。