仮想通貨 最終更新日: 公開日:
本記事では、仮想通貨TRON(トロン)の仕組み・今までの価格推移・将来性についてを解説するので、今後購入する際の参考にしてください。
目次
仮想通貨TRON(トロン)とは、ブロックチェーンを活用して動画コンテンツやゲームなど、あらゆるエンタメクリエイターが活躍する場を提供する中国発の分散型プラットフォームです。
このTRONは今年イーサリアムのブロックチェーンから独立し、独自のメインネットへ移行した事で最近話題となりました。
では、その基本的な情報を見ていきましょう。
TRONの時価総額は2018年8月現在第12位となっており、その規模はおよそ180億円程度です。
以前は10位以内にランクインする事もありましたが、独自のメインネット移行後は要注目の仮想通貨となっています。
TRONは、以前Ripple Labの中国支部でリップルの開発に携わっていたJustin Sun氏によって作られました。
出典:TRON
Justin氏はフォーブス・アジアの30歳以下の「アントレプレナー2017」にも選ばれた著名人であり、Ripple labを退職して2017年にトロンファンデーション(トロン財団)を立ち上げてます。
また、彼のTwitterには40万人を超えるフォロワーが存在しており、以前に音楽配信のライブアプリである「PeiWo」も開発していた事から、その影響力は絶大だと言えるでしょう。
では、TRONの特徴や仕組みを見ていきましょう。
このTRONは、ゲームや動画配信、音楽などを手掛けるコンテンツクリエイターの活躍とマネタイズを支援する為の仮想通貨です。
最近ではゲーム実況を配信をしたり、YouTubeなどで面白い動画コンテンツを配信したりしてお金を稼ぐクリエイターが増えてきました。
特にYouTubeを使って億単位のお金を稼ぐ人がかなり増加してきているのですが、近頃では全く珍しい事ではありません。
しかし、そのようなクリエイターはいずれも中央集権型のプラットフォームを利用する必要があります。
例えば、App StoreやGoogle Playは運営側が全ての情報を一元管理しており、そのプラットフォームを利用する為には収益の一部を利用料として運営に支払わなければなりません。
なお、YouTubeなどもその収益源のほとんどが広告収入であり、クリエイターはその広告収入型のモデルに依存する必要がありました。
ですが、TRONはそういった中央管理者を排除して分散型のプラットフォームを構築します。
TRONネットワーク内で扱われるTRXトークンを用いる事で、クリエイターと閲覧ユーザーを直接つなぎ合わせます。
これによって、クリエイターはその広告収入に依存せず自らのコンテンツの質で勝負する事ができ、閲覧ユーザーによるダイレクト課金でマネタイズが可能となるのです。
TRONではクリエイターが独自のトークンを発行して資金調達出来る「パーソナルICO」の仕組みを構築しています。
これにはTRON独自の技術仕様である「TRON20」を基準としたトークンが用いられます。
このTRON20はイーサリアムのERC20のようなトークン規格であり、TRON内で統一された仕様のトークンを誰でも発行出来るようになるのです。
これによって、クリエイター達は自分のトークンを発行して独自の経済圏を構築する事が可能となります。
次にTRONの価格推移ですが、TRXは2018年1月をピークに高騰しており、その後は右肩下がりの進捗となっています。
1月をピーク後はその反動ですぐに価格を戻したものの、年初当時は「テストネットの稼働、そしてメインネットのローンチによってTRXはまた更に価格が上昇する」といった声がメディア界隈でありました。
しかし、見ての通り、メインネットへと移行した後もその価格は日に日に縮小してしまっています。
現在は1TRX=2.7円程度で推移しており、ピークの2018年1月から現在までで約1/10にまでに下げているんですね。
では、価格変動が大きかった過去のトピックとその動きを振り返っていきましょう。
TRONは昨年の12月26日、ジョン・マカフィーによるTwitterでの言及で大きく爆上がりしました。
ジョン・マカフィーとはアメリカのウイルス対策ソフト「McAfee」の創業者ですが、過去に同氏がTwitterで通貨を言及すると、そのほとんどが驚くほどの高騰を魅せていたのです。
Coin Of The Day: pic.twitter.com/WSTXaha1Nk
— John McAfee (@officialmcafee) December 26, 2017
そして80万人ものフォロワーを持つマカフィー氏の言及があった後、その価格はおよそ1週間で7倍程に高騰しました。
これは全体的な相場の盛り上がりの影響もありましたが、マカフィー氏の影響も大きく受けた事に変わりはありません。
なお、マカフィー以外にも創始者であるJustin Sun氏が自身のTwitterでNASDAQ上場企業との提携を発表した事も価格高騰の要因として見る事が出来ます。
More partnerships are coming! Even #NASDAQ listed companies and the giant companies with more than 100 million users started to contact us for partnership. We will be huge soon! #TRON #TRX $TRX
— H.E. Justin Sun?????? (@justinsuntron) January 2, 2018
TRONは2018年4月5日に韓国の大手取引所「Bithumb」への上場が発表されてその価格は急騰しました。
#TRON is listed on @BithumbOfficial @Bithumb_Korea Welcome trading #TRX in https://t.co/ofTKSScgQ0https://t.co/rzyXmvzlyc pic.twitter.com/dqwtKe8BuP
— H.E. Justin Sun?????? (@justinsuntron) April 5, 2018
Bithumbへの上場がアナウンスされた仮想通貨は過去ほとんどが一時的な高騰を魅せていたのですが、当時のTRXも一時60%を超える上昇を魅せました・
では次にTRONの将来性について見ていきます。
TRONは今年の2018年1月頃に日本で上場するかもしれないという噂が界隈で流れましたが、当時創始者のJustinSun氏は自身のTwitterで日本の金融庁へ正式に申請を行なっていると発表していました。
We have officially filed the application to the financial regulators in Japan. Several Japanese exchanges will list us once the application is approved by the government. #TRX $TRX #TRON
もし、今後金融庁に認められてTRONが日本の取引所に上場するとなれば、日本のマネーが大きくTRONへ流れる事となるでしょう。
しかし、JustinSun氏が金融庁への申請を発表したのは1月14日頃であり、当時はまだコインチェックのハッキング事件すら起こっていませんでした。
その後、金融庁は仮想通貨交換業者を対象としたその審査を厳格化しており、日本の各取引所へ立ち入り検査も厳しく行なっています。
取引所の内部管理体制やリスク管理の部分で厳しい指摘がされている現在、TRONの日本での上場はまだまだ先ではないかと推測する事が出来ます。
TRONは現在多くの提携先企業を抱えており、コンテンツ配信プラットフォームには自身が開発した「PeiWo」の採用、そして自転車シェアリングサービスの「oBike」、ブロックチェーンを用いてゲームコンテンツを作成する「Game.com」、更には2億人のユーザーを抱える動画ストリーミングサービスの「Baofeng」とも提携を交わしています。
この中国発のTRONは将来的に中国企業が展開するアプリケーションに組み込まれていく可能性も無くはありません。
そして今後も、中国の巨大企業との提携アナウンスがあれば、更に高騰する可能性があるでしょう。
ではTRONが購入出来る取引所について見ていきましょう。
TRONの購入に当たって最もおすすめなのは世界最大級の取引所であるBianceです。
Binanceは以下の通り、TRX全体の流通におけるおよそ26%を占めています。
なお、Binanceは手数料が0.1%と最安値の水準であり、その信頼は非常に高いと言えます。
また、Binanceでは日本円での取引が出来ないので、TRXを購入する場合は最初に日本の取引所でBTCを購入し、その後BinanceにBTCを送金するようにしましょう。
そして、その他のTRONを購入出来る取引所は以下の通りです。
Rfinex | Bit-Z | OKEx |
Bithumb | Sistemkoin | Kryptono |
最後におすすめのウォレットを紹介します。
TRONでは、イーサリアムのERC20から独自のメインネットへ移行した事に伴い、TRON公式のモバイルウォレットである「TronWallet」がリリースされています。
TronWallet is now available on Android! Send, receive, freeze $TRX, vote for the Super Representatives, participate in token sales from your phone with this decentralized wallet built by Getty/IO! iOS version available soon, more info on @TronWalletMe https://t.co/QS4SdIB9ru
— TRON DAO (@trondao) July 31, 2018
こちらは現在Androidのみの対応となっており、iOS版も今後公開される予定となっています。
また、TRONのコミュニティが開発したウォレットも存在しており、詳しくはこちらから確認出来ます。
出典:TRON
また、ガチガチのセキュリティ体制でTRXを保管したい場合はハードウェアウォレットの「Ledger Nano S」がおすすめです。
以上がTRONについてでしたが、TRONのロードマップは2027年まで構想されている為に、そのプラットフォームの完成はおよそ10年のスパンが必要であると言えるでしょう。
TRONは中国発のプロジェクトである事から、上手くいけば巨大な中国市場を独占出来る可能性もあるでしょうが、同時に中国政府による規制の影響も大きく受ける事も予想出来ます。
なお、TRONはメインネットに移行した事により、スケーラビリティ問題の解決に向けてイーサリアムに左右されない独自の領域を拡大出来るようになりました。
メインネットへと移行して既存のイーサリアムに対抗するブロックチェーンプロジェクトは多くありますが、その健全な発展と成長に今後も期待したい所です。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。