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本稿では、「仮想通貨市場全体・時価総額上位の各仮想通貨・今後注目の仮想通貨」等に関する1月の価格推移や重要トピック、そして今後の見通しまでをレポート形式で紹介していきます。
各仮想通貨で重要となるファンダメンタルズ材料やトピックも網羅的に紹介しているので、是非最後まで読み進めてみて下さい。
目次
2019年1月の仮想通貨市場全体の時価総額は、月初となる1月1日から約12%減となるおよそ12兆円での推移となりました。
特に年初は世界を代表するIT企業「Apple」が業績を下方修正した事もあり、世界の株安やドル安が先立ち、投資家のリスクオフ(リスク回避)の動きが目立った厳しい市況となりました。
なお、昨年対比でその時価総額を比較すると、その規模は-80%の下落となり、現実的な仮想通貨の相場観が浮き彫りになってきたようにも見えます。
また、ビットコインドミナンスを確認すると、2018年8月以降からビットコイン(BTC)が仮想通貨市場全体の内の50%以上を継続して独占している事が分かります。
では、仮想通貨市場全体における1月の重要トピックを見ていきましょう。
出典:Bakkt
米ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社ICE(インターコンチネンタル取引所)によって設立された仮想通貨取引所「Bakkt」は、先物取次業者(FCM)である「Rosenthal Collins Group(RGC)」の株式を一部取得する事を公表しました。
We're pleased to share that we have entered into an agreement to acquire certain assets of Rosenthal Collins Group (RCG), an independent futures commission merchant https://t.co/5sgdbRO6Ql
— Bakkt (@Bakkt) January 14, 2019
Bakktは仮想通貨を売買、保管、決済する為のグローバルなプラットフォームの構築を目指しており、今後は「現物決済のビットコイン先物取引」のサービスも提供する予定です。
なお、Bakktは今回のRGC買収によって同社プラットフォーム開発に向けた技術提携やシステムセキュリティの強化を図っています。
大手資産運用会社であるフィデリティは、昨年10月に仮想通貨カストディサービス(保管サービス)を手掛ける子会社「Fidelity Digital Assets」を設立しましたが、3月を目安に機関投資家を対象としてビットコインのカストディサービスを開始する予定を表明しました。
※参考:Fidelity Is Said to Plan March Launch of Bitcoin Custody Service
ウォール街でも十分な信頼性を誇るフィデリティですが、今後はイーサリアムのカストディ業務も視野に入れているとの事であり、機関投資家に向けた新たなサービスの拡大が期待されています。
2019年1月22日、米シカゴオプション取引所(CBOE)が米証券取引委員会(SEC)に申請していた「VanEck社」のビットコインETFを取り下げた事が発表されました。
※参考:Cboe pulls its long-awaited bitcoin ETF application amid a government shutdown
世界有数の取引ボリュームを持つデリバティブ取引所の事をいい、米国で最大規模の株式オプション取引所としても知られている。
ビットコインが投資対象に含まれている上場投資信託(ETF)の事であり、上場投資信託とは金融商品取引所で取引がされている投資信託の事を表す。
このビットコインETFが今後金融商品取引所に上場する事によって、大口の機関投資家によるビットコインへの資金流入が期待されている。
そもそもこのCBOEによるビットコインETFの承認は2019年2月27日までに判断される予定でしたが、米政府機関が一部1ヶ月以上閉鎖されているという状況にあった為、SECのスタッフもほとんどが休暇中で稼働していませんでした。
日本で政府機関が1ヶ月も休止される事は考えにくいですが、これは主にメキシコとの国境における壁建設の予算を巡るものでした。
そして、CBOEはこの政府機関の閉鎖を理由にして自らビットコインETFの申請を却下する形となったのです。
なお、当トピックはビットコイン市場に大きなインパクトをもたらすかと思われましたが、特段の大きな値動きは見受けられませんでした。
出典:TradingView
また、CBOEが申請を取り下げた1週間後の30日には、同取引所によって再びビットコインETFの申請がSECに提出されました。
The VanEck SolidX Bitcoin ETF proposed rule-change has been submitted by CBOE. Hard work by all teams involved. Public document: https://t.co/X25lOPjiFS pic.twitter.com/C9FP4adDE8
— Gabor Gurbacs (@gaborgurbacs) January 31, 2019
もしもこの申請がSECによって承認された場合、ビットコイン市場への参加者が増える事も予想されるので、今後の重要なファンダメンタルズとなりそうです。
1月のビットコインの価格は1月31日時点で1BTC=3486ドルとなり、前月同日比で約7%の下落となりました。
BTC/JPYのチャートを日足で確認すると、1ヶ月の間に3%以上の価格変動があった日が7日あった事が分かり、1月10日は1日に9%以上の下落、そしてボリンジャーバンドの-2σを下抜ける形となりました。
>>>ボリンジャーバンドとは?仮想通貨のテクニカル分析についてはこちら!
出典:TradingView
1月以降は引き続き中・長期の移動平均線を(75EM・200EM)下抜けたままとなっており、9日以降は投資家による「買われ過ぎ・売られ過ぎ」を判断する為のRSI指標が50%を下回る水準が続きました。
出典:TradingView
なお、ビットコインは2019年で「ジェネシス・ブロック(最初に記録されたブロックチェーン上のブロック)」の誕生からちょうど10周年を迎えましたが、特段大きく上昇する事もなく、昨年に引き続き弱気相場が続きました。
では、1月に起こったビットコインに関する重要トピックを見ていきます。
2019年1月3日、米Apple社の業績不振による「アップルショック」が起こり、外国為替市場は急激な円高ドル安に振れました。
※一気に1ドル104円となった米ドル/日本円のチャート
出典:TradingView
米アップルのCEOであるティム・クック氏は2019年度第1四半期の業績予想を下方修正した事を発表し、中国経済の低迷を背景にiPhoneなどの製品の売れ行きが減少している事を発表しました。
これによってAppleの株価は一時10%の下落、そしてドル円相場も一気に円が強まる動きとなったのですが、その日はビットコイン相場もわずか数分で3%以上の下落となりました。
出典:TradingView
なお、その後BTCは1時間足らずで2%程回復したのですが、このように急落した後にすぐ価格が回復するような現象を「フラッシュクラッシュ」と呼んでいます。
出典:TradingView
今回のドル円相場でもこのフラッシュクラッシュが起こったのですが、そのチャートを比較して見ると、両者間で連動した動きをしている事が分かります。
出典:TradingView
このように、外国為替市場の動きとビットコインの動きに相関性が見られるようになったのです。
なお、このケースではレバレッジ取引における急なロスカットに十分注意しておく必要があります。
なので「証拠金の不足」や「出来高が薄い連休のポジション持ち越し」などには気をつけておきましょう。
米ニューハンプシャー州の州議会では、公共機関への支払いや納税をビットコインで支払える法案を検討している事が発表されました。
※参考:Lawmakers Pitch New Crypto Tax Payments Bill in New Hampshire
もしもこの法案が可決した場合、2020年7月1日より仮想通貨での納税が受け入れられる事となります。
なお、米国では昨年オハイオ州にて「ビットコインでの一部納税を認める」といった旨の方針が公表されましたが、ビットコインでの納税が可能となれば、税金を納める為に仮想通貨を現金化する必要も無くなります。
日本国内におけるBTC取引高(差金決済や先物取引を含む)は、2018年12月に過去最高水準まで達した事が分かりました。
この取引量の要因としては「ロング」でも「ショート」でもポジションを保有する事ができる「ビットコインFX」が考えられ、以前よりも相場の上下に資金を賭ける流れが多くなっている傾向にあると推測できます。
特にその取引高の大部分が大手取引所の「bitFlyer」であり、12月はその取引高のおよそ9割を占めています。
1月は30万円台のレンジ相場となり、2017年9月頃の水準へと縮小したビットコインですが、今後はフィデリティのカストディサービスやBakktによるビットコイン先物、そしてCBOEのビットコインETFなど、重要な材料がたくさん残っています。
出典:TradingView
しかし、直近のビットコイン相場はやや弱気な傾向にあり、もしも2018年12月のサポートラインを下抜けすれば一気に35万円台を割ってくる可能性も考えられます。
出典:TradingView
いずれにしても、ビットコインの健全な発展と成長の為のルール整備は着々と進んでいるので、長期的な価格の回復に期待したいところです。
1月のリップルの価格は1月31日時点で終値が33円となり、前月同日比で-13%の下落となりました。
出典:bitbank
なお、XRP/JPYのチャートを日足で見ると、その価格は昨年11月以降長期の移動平均線(MA200)を下抜けたままとなっており、長期の下降トレンドラインを形成している事が分かります。
出典:bitbank
昨年の2018年4月には400円の値段が付いたXRPですが、現在はその10分の1にも満たない価格で落ち着いているのが現状です。
ですが、BitfinexのXRP/USDの証拠金取引におけるロング(買い)とショート(売り)のポジション比率の推移を確認すると、2019年1月以降、ロングの比率が70%台、ショートが20%台と、ロング優勢で上昇目線のポジションが多い事が分かります。
出典:LSチェッカー
では、1月のリップルにおける重要トピックを見ていきます。
2019年1月9日、米Ripple社の提供する国際送金ネットワークである「RippleNet」に新規で13の金融機関が登録された事が発表されました。
※参考:RippleNet Surpasses 200 Customers Worldwide
今回参加した金融機関は以下の通りであり、既にRippleNetに登録している参加企業は200社を超える規模となりました。
出典:ripple
なお、今回参加した企業の中でも「JNFX、SendFriend、Transpaygo、FTCS、Euro Exim Bank」は国境を超えた取引(クロスボーダー取引)の際にXRPを活用するとも言及されています。
今後もしも実際の取引にXRPが利用される事が主流となれば、それはXRPに大きな実需が生まれる事となるでしょう。
また、2018年はRippleNetにおよそ100社にも及ぶ金融機関が加入しましたが、現在は1週間に2〜3社のペースで新規顧客が同ネットワークに加入しているとされています。
1月30日、世界各国の金融機関に金融通信メッセージサービスを提供する「SWIFT」は、ブロックチェーン企業の「R3」と提携してSWIFTの決済システム「GPI(グローバル・ペイメント・イノベーション)」とR3社のプラットフォーム「Corda」を統合する計画を発表しました。
これによって、R3のCordaを利用する企業はSWIFTの決済システムも同時に活用できるようになります。
※参考:Why the R3-SWIFT Partnership is Cranking the Gears of the Ripple (XRP) Rumor Mill
R3の「Corda(コルダ)」は、金融機関同士でネットワークを形成してその金融取引の効率化する為のブロックチェーンプラットフォームですが、そこで新たに生まれたのが国際取引の際に利用する為の決済アプリ「Corda Settler」であり、そこで最初の決済通貨として採用されたのが「XRP」でした。
なので、今回SWIFTがR3のCordaと統合される事で、「そこでもXRPが活用される可能性があるのではないか」という期待が高まり、XRPの価格は1月30日に約+13%と大きく高騰しました。
出典:bitbank
しかし、本当にその決済手段が仮想通貨(XRP)となるのかは不明であり、それが実現しない可能性がある点にも注意が必要でしょう。
このように、リップルはRippleNetの参加金融機関が200社を超え、その一部でXRPが活用されていくといった大きな「ファンダメンタルズ・バリュー」があります。
さらに、日本のSBIホールディングスはR3社との合弁会社である「SBI R3 Japan 株式会社」の設立を発表しており、今後のCordaの拡大とXRPの活用推進が予想されます。
なお、2019年2月5日現在のXRPは下降トレンドを辿っていますが、1月の最安値であり節目でもある30円台を下抜けると、そのまま一気に下落してしまう事も予想できるので注意が必要でしょう。
出典:bitbank
1月のイーサリアムの価格は31日時点で1ETH=108ドルとなり、12月の同日比で約-21%の下落となりました。
イーサリアムは昨年12月中旬から1月上旬にかけて大きな上昇トレンドを形成していましたが、節目となる150ドルを割った後はそのトレンドラインを下抜け、そのまま130ドル台まで下落、さらに29日には再び100ドル付近までタッチしています。
出典:TradingView
では、イーサリアムに関する1月の重要トピックを見ていきます。
2019年1月4日、イーサリアムのコア開発者間の会議にて、中央集権的なASICマイニングへの対策として「ProgPoW」の実装が仮合意されました。
※参考:Ethereum Developers Give ‘Tentative’ Greenlight to ASIC-Blocking Code
ProgPoWとは、GPUマイニングの持続性を高めてASICマイニングの効率を低くする為のアルゴリズムであり、マイナーの中央集権化を防ぐ為に考案されたものです。
イーサリアムにてASICによるマイニングが集中してしまうと、将来的に少数のマイナーが大半のネットワークを独占してしまう事にもなり兼ねません。
そこでこのProgPoWの実装がイーサリアム開発者の間で仮合意されたのです。
しかし、2019年2月現在はそのProgPoWの実装がまだ正式に決定しておらず、それに関する判断は延期されています。
2019年1月17日に予定されていたイーサリアムの大型アップデート「コンスタンティノープル」は、その脆弱性の発覚により急遽延期されました。
[SECURITY ALERT] #Constantinople upgrade is temporarily postponed out of caution following a consensus decision by #Ethereum developers, security professionals and other community members. More information and instructions are below. https://t.co/p2znO8HGxf
— Ethereum (@ethereum) January 15, 2019
そもそもコンスタンティノープルとは、イーサリアムの3段階目となる大型アップデートの内の一つであり、スマートコントラクトの簡素化やセキュリティの強化等がなされる予定となっていました。
Binance Will Support the Upcoming Ethereum Constantinople Hard Forkhttps://t.co/Jt91lT7hdY pic.twitter.com/OTr8fNOLr8
— Binance (@binance) January 3, 2019
なお、大手海外取引所Binanceなどもイーサリアムのアップデートに伴うハードフォークへの対応を事前に表明していた為、その影響もあり当時のETH相場は年初から3日で約18%高騰しました。
しかし、そのコンスタンティノープルは脆弱性による延期が決まり、その発表があった日本時間の16日の朝5時には1時間でおよそ6%下落してしまいました。
なお、今後コンスタンティノープルのアップデートは2月27日、7,280,000番目のブロックで実施される予定となっています。
今後イーサリアムは上述したProgPoWの実装の可否や、大型アップデートコンスタンティノープルの実装が控えており、特にコンスタンティノープルの実装は2月27日に行う予定とされています。
もしも再度アップデートの延期などが起これば、価格の急落も起こり兼ねないでしょう。
そして2月上旬は110ドルラインのレジスタンスラインを上抜けしない相場となっており、この110ドルラインをブレイクできるかが鍵となりそうです。
出典:TradingView
1月のイオスの価格は31日時点で2.3ドルとなり、12月の同日比で約9%の下落となりました。
EOSはメインネットローンチ以降、多くのDapps(分散型アプリケーション)を生みだすエコシステムとして機能していますが、昨年12月以降は2ドル台のレンジ相場が続き、大きな価格変動の無い市況となっています。
では、イオスの1月の重要トピックについて見ていきます。
仮想通貨に関する調査レポートを公表するDiar社の2019年1月28日のレポートを見ると、2019年のDapps市場における取引量の内、その94%がイオスやトロン(TRX)によるものだという事が分かりました。
※参考:EOS, Tron Lure Betting Crowd to Decentralized Applications
以下の図の通り、2018年の前半まではその大半がイーサリアムによる取引でしたが、後半に近づくに連れてイオスやトロンの取引シェアが膨らんでいます。
出典:diar
なお、各プラットフォーム別のDappsにおける一日のアクティブユーザーも2018年の後半頃からイオスが右肩上がりで伸びており、反対にイーサリアムにおけるアクティブユーザーが減少していることも見て取れます。
出典:diar
世界のDappsに関する取引量やユーザー数を確認できる「DappRadar」内のDappsランキングにて、イオスやトロンのアプリケーションがイーサリアムを差し置いて上位を独占している事が分かりました。
※参考:Tron (TRX) and EOS DApps Dominate the Top 10 Rankings on DappRadar
以下の図は2019年2月時点のものですが、Dappsランキングの10位を見ると全てがイオス、トロンのものである事が確認できます。(※一番上の「QuasarX」は広告として表示)
出典:DappRadar
なお、これに関してをトロンのCEOであるジャスティン・サン氏も自身のツイッターで言及しており、イーサリアムがトップに入っていないことを強調していました。
#TRON occupies 6 seats in world's Top 10 Dapps and #ETHEREUM gets 0. In the future it will be 10 seats out of 10! #TRX $TRX #BTT $BTT pic.twitter.com/8fFRgveRUq
— Justin Sun (@justinsuntron) January 26, 2019
また、2019年2月5日現在は38位までがイオスとトロンのDappsで埋められています。
以上のように、イオスはブロックチェーンプラットフォームとしてDapps市場のシェアを大きく獲得しており、徐々に現在のイーサリアムのポジションを奪還する動きを魅せています。
なお、現在イオス上では260を超えるDappsが構築されていますが、その分野はギャンブル、ゲーム、SNS、決済と様々であり、特にギャンブルの分野はイーサリアムを超える66%の割合を占めています。
出典:diar
引き続き2月もイオスのDappsユーザーの数や取引量が安定的に高まれば、徐々にイーサリアムとの時価総額の差も縮まっていくかもしれません。
1月のビットコインキャッシュの価格は31日時点で118ドルとなり、12月の同日比で約-25%の下落となりました。
ビットコインキャッシュは2018年11月に起こった「BitcoinSV」との分裂後、12月16日〜21日にかけておよそ300%の上昇となりましたが、1月は芳しくない市況が続き、上位通貨の中でも特に大きな下落率となりました。
出典:TradingView
では、ビットコインキャッシュの1月の重要トピックを見ていきます。
マイニング大手のビットメインは1月21日、同社のブログにて2018年を振り返ると共に、ビットコインキャッシュの分裂騒動についても言及しました。
※参考:Bitmain: Following a busy 2018, what can we expect in 2019?
ビットメインは今回起きたビットコインキャッシュの分裂騒動についてを「エキサイティングだった」と述べており、分裂したBitcoinSVのコミュニティに対しても「自らの夢を追いかけていって欲しい」といった旨の内容をコメントしました。
なお、同ブログ記事では他にもAIへの取り組みや仮想通貨インデックスの立ち上げ、そして米国進出についてが言及されていましたが、この発表の後にBCHは1日で最大13%高騰しました。
出典:TradingView
2019年1月、ビットコインキャッシュに実装する為の新たな2つの技術提案がGitHub上で発表されました。
※参考:ビットコインキャッシュへ新たな技術提案 ライトニング・ネットワーク可能となるか
その提案書によると、新たな技術実装によってビットコインキャッシュの取引におけるセキュリティの向上や、ライトニングネットワークによる取引処理の効率化が可能になるとされており、2019年5月までの導入を目標にしています。
仮にこの技術提案がビットコインキャッシュに実装されるとなれば、異なる仮想通貨同士をトラストレスに取引可能な「アトミックスワップ」にも対応可能となる為、さらなる利用用途の拡大が期待できるようになるでしょう。
2月に入り下落トレンドからのトレンド転換の兆しを見せたBCH相場ですが、現在は110ドル台のレンジ相場が続いています。
出典:TradingView
なお、仮想通貨の掲示板サイトBitcointalk.orgのオーナーであるCobra氏は、自身のツイッターで「ビットコインキャッシュは死んだ」「数年以内に価値はゼロになる」とツイートしていました。
Bitcoin Cash is dead. Needs new leadership and direction/purpose otherwise it'll be worth $0 in a few years.
— Cøbra (@CobraBitcoin) January 18, 2019
ビットコインキャッシュは分裂騒動後、その価格を半分以下に下げていますが、Cobra氏は「ビットコインキャッシュに必要なものは新たなリーダーシップ、方向性、目標だ」とも指摘を入れていました。
度重なる分裂によって、その信頼性が下がりつつある事を捉えたツイートだったのかもしれません。
では、次に1月に価格上昇をみせた期待のアルトコインをピックアップしていきます。
2019年1月に最も躍動したのが上位アルトコインであるトロン。
そんな現在時価総額第8位であるトロンは、2019年1月1日〜31日にかけて150%の上昇を魅せ、全体的に弱気な仮想通貨市場で頭一つ抜けた成長率となりました。
>>>TRONの仕組みや将来性についての詳しい解説はこちら!
なお、トロンは昨年12月の中旬以降1月末にかけて大きな上昇トレンドを描いていましたが、2019年2月現在はそのトレンドラインを下抜けており、1TRX=2.7円ほどで取引されています。
では、1月に起こったトロンに関するトピックを見ていきます。
2019年1月15日、トロンの創業者兼CEOであるジャスティン・サン氏は、自身のツイートにてトロンが基盤の「TRC10トークン」がシンガポールの仮想通貨取引所ABCCへ上場する旨を発表しました。
ABCC Exchange is truly an awesome platform that has witnessed great development. We are glad to partner with #ABCC as it's the first exchange listing #TRX10 tokens. #TRON #TRX $TRX https://t.co/8VO7Z2jGOY
— Justin Sun (@justinsuntron) January 15, 2019
「TRC10」とは、トロンのプラットフォームで用いられる技術標準のことであり、イーサリアムの「ERC20」のようにブロックチェーンプラットフォームを利用して独自のトークンを発行することができます。
そしてトロンは「プラットフォーム型」のブロックチェーンプロジェクトである為に、同プラットフォームを利用してトークンを作成する開発者が増えれば、それがトロンの価値向上に繋がるのです。
>>>プラットフォーム型って何?仮想通貨の用途別の特徴の解説についてはこちら!
なお、14日からこの発表があった日本時間の15日の9時にかけてTRXはおよそ22%の上昇を魅せました。
出典:TradingView
1月28日、海外の仮想通貨取引所Binanceの手掛けるICOプラットフォーム「LaunchPad」にて、トロンの子会社であるBitTrentの発行する「BTTトークン」がわずか15分足らずで約700万ドルを調達された事が明らかとなりました。
※参考:Binance Launchpad: BitTorrent Token Sale Results
BitTorrentとは、ピアツーピア(P2P)でファイルを共有する為のブロックチェーンプロジェクトであり、現在138カ国に約1億人の月間アクティブユーザーを持っています。
そしてこのBTTトークンの販売はBinanceの独自トークンである「BinanceCoin(BNB)」、あるいは親会社であるトロンの「TRX」を用いて行われたのですが、いずれも15分もしない内に完売となり、ICO市場が衰退していく中での見事な資金調達となりました。
そして、BitTorentのBTTトークンを購入する為の交換用通貨として実需を生んだTRXは、1月の20日〜27日にかけて+30%以上の上昇となりました。
出典:TradingView
現在時価総額12位のバイナンスコイン(BNB)は、仮想通貨市場全体が悲観的な中で堅実に価格を底上げし、その時価総額を手堅く上げて来ている銘柄の一つです。
バイナンスコイン(BNB)とは大手海外取引所のBinanceが発行している独自トークンであり、同取引所でBNBを利用する事で取引手数料がディスカウントされるベネフィットがあります。
なお、このBNBは2019年1月に通算で6度目となるバーン(焼却)が行われました。
Find out how many $BNB (Binance Coins) were burned for the recently concluded quarter, along with thoughts from @cz_binance on the current market and what he is excited for in Q1 2019.
Read here? https://t.co/5koUi5zPTx pic.twitter.com/DVO7KBsNGm
— Binance (@binance) January 16, 2019
通貨がバーンされる事によって、その通貨は二度と市場に出回らなくなるので、理論上その通貨の市場価値が高まる事となります。
なお、 Binanceは今後分散型取引所(DEX)を構築し、そこでBNBを基軸通貨とする予定である事を公表している為、非常に将来性の高いアルトコインだと言えます。
そして、現在時価総額32位のAugur(REP)も今年の1月以降右肩上がりの価格推移をみせているアルトコインの一つです。
Augurは2019年1月15日にP2P予測市場の「Veil」をリリースし、分散型予測市場のプラットフォームを実現化させました。
出典:veil
Augurは2018年7月にメインネットがローンチしたプロジェクトですが、ブロックチェーンを用いた予測市場の為のプラットフォームとして、大きな実需を呼び込む可能性のある期待の銘柄です。
では、以下より国内の仮想通貨取引所における1月の重要トピックを3つ紹介していきます。
国内大手の取引所であるbitbankが手掛けていたレバレッジ取引所の「bitbank Trade」は、2019年3月31日を以って同サービスを終了する事を発表しました。
2019年3月31日を以ってbitbank Tradeを終了することとなりましたのでお知らせ致します。https://t.co/08MrpYnJnKを圧倒的No.1の取引所とするべく、全社一丸となってより一層の態勢強化に注力して参りますので、今後とも弊社サービスをご愛顧賜りますようお願い申し上げます。https://t.co/STZXh0vHGs
— ビットバンク bitbank, Inc. (@bitbank_inc) January 10, 2019
bitbank Tradeは2015年夏からサービスを開始し、「最大レバレッジ20倍で追証なし」が売りのレバレッジ取引所として多くの支持を得ていましたが、同社は今後メインとなる取引所の「bitbank」へ運営を注力する方針を取っています。
bitbankは国内でも有数の取引量を誇る取引所に成長している為に、今後の同取引所の更なる拡大にも期待したい所です。
なお、今回ビットコインFXやレバレッジ取引ができるbitbank Tradeはサービス終了となりますが、他にも国内では「DMMビットコイン」や「GMOコイン」などといった取引所でそれらの取引が可能となっています。
>>>ビットコインFXやレバレッジ取引ができる仮想通貨取引所の比較はこちらから!
出典:Huobi
2018年9月にビットトレード株式会社の経営権を持った「Huobi Japan Holding Limited」は、新しく日本居住者向けに「Huobi」を新設しました。
Huobiといえば、世界でも上位の取引量を誇る海外取引所「Huobi Global」の運営元として既に名が知れていますが、日本への進出にも目を向け、今回bitTradeと業務提携し新たな仮想通貨取引所を設立するに至っています。
そのHuobiは、2019年1月8日より新たに仮想通貨の取引所サービスをリリースしました。
なお、同取引所では現在以下の6通貨が取引・入金・出金に対応されています。
※参考:取引サービスをリリースしました!
そして2019年1月25日、Huobiは日本向けのiOS版アプリをリリースし、同時にAndroid版のアプリも公開しました。
✨Huobi、iPhone版アプリ提供開始!✨
大変お待たせしました!
本日iPhone版アプリをリリースいたしました!!
iPhone版アプリのダウンロードはこちらから!!? ?https://t.co/EFp5wcZHlc#huobi pic.twitter.com/tfSgKiQaqQ
— Huobi Japan Media (@HuobiJapan) January 25, 2019
同アプリを使う事で、日本円の入出金や仮想通貨の取引や入出金までも全てスマホ上から行う事が可能となります。
出典:App Store
また、BitMEXを運営する香港の「Madison Group」は、2018年12月に日本で仮想通貨交換業を取得している株式会社ビットオーシャンの株式を67.2%取得する予定を公表しました。
これによって、今後日本にも世界を代表する取引所であるBitMEXの参入が予想される事となりました。
このように、HuobiやBitMEXといった巨大な海外取引所が、日本市場に参入する為に動いています。
2019年1月11日、国内取引所のコインチェックは、日本の金融庁より仮想通貨交換業者として正式に登録された事を発表しました。
【仮想通貨交換業者登録に関するお知らせ】
コインチェック株式会社は、2019年1月11日に資金決済に関する法律に基づく仮想通貨交換業者として関東財務局への登録が完了しましたので、お知らせいたします。https://t.co/a0fjEgu8Rw— Coincheck(コインチェック) (@coincheckjp) January 11, 2019
2018年4月にマネックスグループの完全子会社となったコインチェックは、2018年1月のハッキング事件以降、その内部管理体制や経営管理の改善に徹していましたが、今までは仮想通貨交換業の「みなし業者」とされていました。
しかし、2019年の1月に遂に正式な仮想通貨交換業者として登録され、今後は日本で正式に改正資金決済法に基づいた運営を行っていく事となります。
なお、コインチェックは同じ国内の取引所のbitFlyerに並ぶ大手の取引所であった事から、今回正式に認可登録されたことが好材料になると思われましたが、BTC/JPYの相場に特段の大きな反応はありませんでした。
出典:TradingView
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。