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本記事では、仮想通貨(ビットコイン)FXで多く用いられるテクニカル指標の「ボリンジャーバンド」についてを解説していきます。
この記事を最後まで読めば、ボリンジャーバンドの見方や設定方法、そしてボリンジャーバンドを用いたトレード手法から注意点までを知る事ができます。
目次
ボリンジャーバンド(Bollinger Band)とは、移動平均線の上下に帯状に敷かれるテクニカル指標であり、「その価格の大半が帯(バンド)の中に収まる」という統計学のもとで誕生した分析手法です。
下記チャートのように、ボリンジャーバンドを表示させるとチャートの周りに膨らむ帯状の枠が表示されます。
これは「価格が大きく変動してもこの枠内で収まるであろう」といった目安を表しており、相場における価格の変動幅やトレンドの予測などに役立ちます。
では、以下よりボリンジャーバンドのメリットについて見ていきましょう。
ボリンジャーバンドを用いる事で、相場がどのくらいの価格変動となるのかを予測する事ができます。
下記チャートのように、ボリンジャーバンドでは移動平均線を中心に帯状の線が上下に引かれますが、これが”標準偏差”によって算出された価格の振れ幅(ボラティリティ)の目安を表しています。
なお、基準となる移動平均線から一番近い線を1σ(シグマ)、二番目を2σ、三番目を3σと言い、価格の振れ幅が以下のような確率で落ち着くとされています。
要するに、σの単位が小さいほど価格の上下がその帯内で収まる確率は下がり、大きくなるほど帯内で収まる確率は上がるのです。
ですが、価格が±2σ内までに収まる確率が95%なので、ほとんどの確率でその価格は±2σに落ち着くと考えても良いでしょう。(もちろん収まらない場合もあります。)
なので、ボリンジャーバンドを利用すれば「+2σに付近にタッチすると買われ過ぎであるかもしれない」、あるいは「-2σに付近にタッチすると売られ過ぎなのかもしれない」といった形で相場の予想・分析を行う事ができます。
ボリンジャーバンドの幅を見る事で、現在の相場がレンジなのかトレンドなのかを把握する事ができます。
上記のチャートのように、レンジ相場の時はバンドの幅が縮まって横ばいとなり、トレンド相場の時はバンドの幅が広がって膨らんだような状態となります。
このように、ボリンジャーバンドの幅を確認するだけで現在の相場がレンジなのか、トレンドなのかを一目で把握する事が可能です。
基本的にボリンジャーバンドの状態はバンドの幅によって3つの形に分かれます。
では、これらを順番に見ていきましょう。
スクイーズとは、ボリンジャーバンドの幅が狭まっている状態を言い、主に価格変動幅の少ないレンジ相場で発生します。
あらゆる相場はトレンドとレンジが繰り返されている為、基本的にスクイーズが形成された後はトレンド相場が発生しやすいと言えます。
エクスパンションとは、ボリンジャーバンドの幅が上下に大きく拡張する事を言い、強力な上昇トレンド、もしくは下降トレンドが発生するサインとなります。
上記のチャートのように、エクスパンションは基本的にスクイーズの後にその枠が上下に膨らんで発生しますが、その前のレンジ相場が長ければ長い程大きなトレンドになりやすいとされています。
バンドウォークとは、バンドに沿ってローソク足が並ぶ事をいい、強いトレンドを示唆する一つの指標となります。
上記のチャートのように、バンドウォークが発生したケースでは、バンド上のラインにタッチしても反発する事なく、価格がバンド上を歩く(ウォーク)ように推移する事が特徴的です。
では、上述したボリンジャーバンドの3つの形態を踏まえ、それぞれのケースに合ったトレード方法を見ていきましょう。
スクイーズの状態でトレードをする場合、価格がバンド内の±2σにタッチした時点を狙って逆張りしていく方法があります。
逆張りとは、相場の下落局面で買いを入れ、反対に上昇局面で売りを入れるといった投資スタイルのこと。
上記のチャートのように、2σにタッチすると「買われ過ぎ」と判断してショート(売り)、反対に-2σにタッチすると「売られ過ぎ」と判断してロング(買い)を入れる事が出来るでしょう。
一般的に相場は「トレンドが3割、レンジが7割」と言われているのもあり、レンジ相場でのスクイーズを活用したトレードは今後増えるかもしれません。
しかし、基本的にこのスクイーズが発生している時は比較的値動きの小さいレンジ相場なので、スプレッド手数料などを考慮するとあまり利益が取れない可能性もあります。
なので、売買は行わず様子見で次のトレンドに備えるというのが得策な場合もあります。
エクスパンション、またはバンドウォークが発生するようなトレンド相場では、基本的に「順張り」でトレードを考えていきましょう。
順張りとは、価格が上昇傾向にある時に買い、反対に下落傾向にある時に売りを入れる売買戦略のこと。
レンジ相場(スクイーズ)で±2σをブレイクすると、そのバンドが上下に広がりエクスパンションが出現します。
なので、ローソク足が勢いよく2σを突き抜けるとトレンド入りのサインとなります。
その後2σに沿って価格が動いて入れば「バンドウォーク」が発生するので順張りでエントリーし、1σをブレイクしたタイミングで決済を入れましょう。
なお、トレンド相場でボリンジャーバンドを使って順張りする際は、「レンジ相場の後にローソク足がしっかりと±2σを突き抜けているか」「バンドが拡大してしっかりとエクスパンションを形成出来ているか」などを押えておきましょう。
では、各取引所やツール毎のボリンジャーバンドの設定方法を確認していきましょう。
TradingViewの場合、まず画面上にある「インジケーター」をクリックし、「ボリンジャーバンド」と検索して選択しましょう。
その後はチャート上にボリンジャーバンドが表示されます。もしも複数の標準偏差のボリンジャーバンドを表示させたい場合はインジケーターから追加しましょう。
そしてその標準偏差や期間などを変更したい場合は「設定(歯車)」をクリックして数値を入力してください。
GMOコインのビットコインFXチャートの場合、チャート画面の左上にある「チャート設定」をクリックし、ボリンジャーバンドを選択するようにしましょう。
なお、GMOコインのレバレッジ取引では「WebTrader」と呼ばれるトレーディングツールがありますが、そちらでも上述したTradingViewと同様、「インジケーター」からボリンジャーバンドと検索すればチャート上に表示させる事が可能です。
bitFlyerでビットコインFXが可能な「bitFlyerLightning」では、以下のチャートのように右上にある赤枠をクリックして「ボリンジャーバンド」を選択すれば表示できます。
なお、ボリンジャーバンドは仮想通貨取引所アプリからでも確認する事が可能です。
例えばGMOコインの取引アプリの場合、以下のチャート画面から右サイドの赤枠をタップし、「ボリンジャーバンド/ストキャスティクス」と記載のある「テクニカル3」を選択すればボリンジャーバンドが表示されます。
また、DMMビットコインの場合であれば以下のチャート画面の右上にある赤枠をタップし、「トレンド」から「ボリンジャーバンド」を選択すれば表示できます。
では、ボリンジャーバンドを用いる際の注意点について解説していきます。
これは全てのテクニカル指標を用いる際に言える事ですが、一つの指標のみを見て売買していると、他のテクニカル指標で出現している売買シグナルに気付くことが出来ない為、ダマシに遭ってしまう可能性が上がってしまいます。
特にレンジ相場で売買をする際は基本的に逆張りのトレード戦略となるので、同じ逆張り戦略に用いられるオシレーター系指標の「RSI」や「ストキャスティクス」も同時活用するのが良いでしょう。
ボリンジャーバンドはそのバンド内に価格が収まる確率を表しており、±2σ内に収まる確率は「約95%」であると上述しましたが、必ずしも一定の範囲内に価格が納まるわけではありません。
そもそも人間の考え方が様々であるように、相場に参加するトレーダーの思考法もまた様々です。
従って、「2σにタッチしたからそろそろ反転するに違いない。逆張りだ!」と考える人も入れば、「いや、2σにタッチするという事はこれから強いトレンドとなるかもしれない。ここは順張りだ!」と考える人もいるという事です。
なので必ずしもバンド内で価格が収まるわけではなく、一般とは異なった考えを持つトレーダーもたくさんいるという点には十分注意しておきましょう。
ボリンジャーバンドのメリット
ボリンジャーバンドを用いたトレード手法
ボリンジャーバンドを用いる際の注意点
ボリンジャーバンドは逆張りと順張りの両局面で使う事ができ、レンジ相場でもトレンド相場でも役に立つ便利なテクニカル指標です。
ですが、ボリンジャーバンドを使ったトレードスタイルや時間軸は全てトレーダーによってバラバラなので、一つの指標に頼り過ぎず、様々な指標や期間を同時に見ながら分析してみてください!
>>>続けて「移動平均線の見方」についても知りたい方はこちら!
※記事内のチャートはTradingViewから引用
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。