仮想通貨 最終更新日: 公開日:
本記事では、仮想通貨(ビットコイン)とFX(外国為替)の違いについてを解説していき、両者のメリットやデメリット、税金の違い、そしてどっちに投資をするべきなのかまでを徹底解説していきます。
今後仮想通貨やFXなどのトレードで利益を上げていきたいと考えている方は、是非参考にしてみてください!
目次
価格変動のある通貨を売買して利益を得る為の投資対象として代表的なものと言えば「FX」でしたが、最近だとビットコインを代表する「仮想通貨」と呼ばれる新たな投資対象が登場するようになりました。
それらは一見似たような性質を持っていますが、実は様々な違いがあります。
なので、以下よりそれらを「概要」「メリット・デメリット」「税金」の三つに焦点を当てながら違いを比較していきます。
FXとは「Foreign Exchange」の略称であり、「外国為替証拠金取引」とも呼ばれます。
FXでは主に各国の外国為替市場における「法定通貨」を投資対象とし、業者に一定の証拠金を預け入れる事で「差金決済」による通貨の売買を行う事が出来ます。
現物の資産の受け渡しをする事なく、その資産の買付金額と売却金額との差額のみを受け取って決済すること。
FX取引の大きな特徴は、少ない元手で大きな資金を動かせる「レバレッジ取引」が出来る点や、「ロング(買い)」と「ショート(売り)」の両ポジションを保有できる点などであり、基本的に上昇相場でも下落相場でも利益を獲得できるチャンスがあります。
なお、FXでは日本円や米ドル、オーストラリアドル、ユーロ、イギリスポンドなどといった各国の法定通貨を少額から売買する事ができ、日本には40社を超えるFX業者が存在しています。
一方仮想通貨とは、インターネット上で価値の交換や送金が出来る新しいお金であり、2008年に「サトシ・ナカモト」と名乗る謎の人物によって最初の仮想通貨となる「ビットコイン」が考案されました。
この仮想通貨は「ブロックチェーン」と呼ばれる技術が用いられており、各国の政府や中央銀行によって管理されない「非中央集権型(分散型)」の通貨である事が既存の法定通貨と異なっています。
>>>仮想通貨の仕組みやメリットについて詳しく知りたい方はこちら!
仮想通貨(ビットコイン)FXとは、仮想通貨を用いたFX取引の事であり、外国為替のFXと同様に「レバレッジ取引」や「ロング・ショート」の両ポジションを持つ事が可能となります。
上述したFX取引の投資対象は米ドルやユーロといった「各国の法定通貨」ですが、仮想通貨FXの投資対象は文字通りビットコインやイーサリアムといった「仮想通貨」なのです。
では次に投資対象として見た時の仮想通貨とFXの違いを以下の5つのポイント毎にそれぞれ比較していきます。
仮想通貨に投資する最大のメリットは、まだその市場が未成熟であることから大きな価格変動を期待できる点だと言えます。
代表的な仮想通貨であるビットコインは2017年に1年で最大約2,000%の上昇となりましたが、翌年の2018年は反対に1年で約80%にも及ぶ大暴落となりました。
なお、仮想通貨市場全体の時価総額は2019年2月18日時点でおよそ14兆円の規模で推移していますが、既存の株式市場や外国為替市場(FX)と比較してプロ(機関投資家やヘッジファンドなど)がほとんどいないことも特徴的です。
よって、その価格の落ち着き度が相対的に低く、日々激しい価格変動を魅せているのです。
一方、FX市場は既に市場が成熟しており、多くの市場参加者が取引をしている為、仮想通貨市場と比べてその価格変動が小さくなっています。
下記チャートでは、ビットコインと米ドルの2017年から2019年にかけての価格変動を比較していますが、チャートを見るとその違いが顕著に表れています。
なお、FXの投資対象となる外国為替市場の取引規模は米ドルが1日あたりおよそ100兆円を超えており、日本円だけでも1日あたりおよそ40兆円を超えています。
このように、外国為替市場は仮想通貨市場とは比べ物にならない程の規模となっており、機関投資家などのプロトレーダーも市場に参入している事から高い流動性があると言えるのです。
仮想通貨市場においては、基礎的な価値を測る為の「ファンダメンタルズ指標」が存在していません。
ファンダメンタルズとは、財務状況や業績、経済情勢によってその投資先の本質的価値を分析する手法ですが、ビットコインを代表する仮想通貨には発行元となる国家や企業などが存在していない為、その価値を測る為の指標が無いのです。
一方、FXにおける外国為替市場では各国の金融政策やGDP、雇用情勢から政治といった様々なファンダメンタルズが価格変動の要因となります。
例えば米ドル/日本円の取引ペアにおいて、日本の中央銀行(日本銀行)が金融緩和を実施すると理論上は円の価値が下がって「円安ドル高」となりますが、反対に米国経済の低迷が危惧されるようになると、米ドルが売られて安全資産である日本円が買われるので「円高ドル安」に動きます。
例えば2019年1月3日に起こった米Apple社の業績不振による「アップルショック」では、米Appleの株価や米国の代表的な株価指数低迷の懸念を背景に、為替市場が突然「円高ドル安」に動きました。
このように、FX取引では各国の中央銀行による金融政策や経済情勢の動きが主な価格変動要因となります。
仮想通貨における国内取引所のレバレッジ倍率は以下の通りとなっています。
取引所名 | レバレッジ倍率 |
---|---|
bitFlyer | 最大15倍 |
GMOコイン | 最大10倍 |
DMMビットコイン | 最大5倍 |
BITPoint | 最大4倍 ※2019年2月上旬に最大25倍から4倍に変更予定 |
Liquid | 最大25倍 |
Coincheck | 最大5倍 ※2019年1月27日現在レバレッジ取引は一時停止中 |
現状レバレッジ倍率が最も高いのは「Liquid」の25倍となっていますが、今後日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)によってレバレッジ倍率を4倍で統一する方針が公表されている為、将来的にこのレバレッジ倍率は大幅に引き下げられる事が予想されます。
なお、海外であれば100倍、200倍といったようなレバレッジ倍率をかけられる取引所も存在しています。
FX取引のレバレッジ倍率は最大25倍とされており、主要なFX取引所であればほとんど最大25倍で取引する事が可能です。
なお、FXにおいても金融庁によってレバレッジ倍率を最大10倍で統一する方針が検討されていましたが、現在その規制案は据え置きされています。
FXでは「スワップポイント(スワップ金利)」と呼ばれる仕組みが存在しています。
スワップポイントとは、各取引通貨毎に設定されている金利の差額分から得られる利益の事であり、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買えばその2通貨間の差額分を受け取る事ができます。
このスワップポイントは自身がポジションを保有した日数に応じて受け取る事ができますが、上記の図のように、反対に高い金利の通貨を売って低い金利の通貨を買った場合は自分が金利差分を支払わなければなりません。
一方、国内における仮想通貨取引(ビットコインFXなど)では原則スワップポイントがありません。
そもそも主要な仮想通貨において、金利が発生するような通貨は存在していません。
なので、FXで発生するようなスワップポイントが無いのです。
なお、仮想通貨FXではスワップポイントの代わりにレバレッジ取引の際に1日毎に徴収される「レバレッジ手数料」が発生するので注意しておきましょう。
国内でFX取引を行う場合、基本的にその取引時間は平日の24時間のみとなっていますが、仮想通貨の取引時間は24時間365日可能となっています。
なので、土日の休日を使って取引をしたいという方に最適なのは「仮想通貨取引」の方だと言えるでしょう。
上述した各ポイント毎の違いを表で比較すると以下の通りとなります。
仮想通貨 | FX(外国為替) | |
---|---|---|
投資対象 | ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨 | 日本円や米ドルなどの法定通貨 |
価格変動 | 大きい | 小さい |
価格の変動要因 | ファンダメンタルズが存在しない | 各国の中央銀行による金融政策や経済情勢など |
レバレッジ倍率 | 最大25倍(但し今後は一律4倍までとなる方針) | 最大25倍 |
スワップポイント | なし | あり |
取引時間 | 平日24時間のみ | 24時間365日取引可能 |
では、両者の特徴の違いを踏まえた上で、今度は税金についても比較してみましょう。
2019年2月現在、日本の国税庁が公表している税制では、仮想通貨の売買によって得た利益は「雑所得」として分類され、所得税の総合課税の対象となり確定申告が必要となります。
その税率についてですが、仮想通貨は総合課税となるので、「累進課税」の対象となり、以下の図に従って他の所得と合計して算出されます。
出典:国税庁
累進課税では合計所得額によって税率が決定されるのですが、4,000万円を超える額には最高税率である45%が課せられる事となり、上記の税率に加えて日本では一律10%の「住民税」が課せられます。
よって、4,000万円以上の所得を得た場合は実質55%の税率がかかる事となるのです。
一方、FXは基本的に「先物取引に係る雑所得」として区分され、仮想通貨とは異なり一律20.315%の分離課税となっています。
分離課税とは、総合課税とは異なり他の所得と合算せずに税額が計算される課税方式なので、どれだけFXで利益を得たとしてもその税率は一律に納まります。
なお、これらの税制や税率は国内におけるFX取引にて適用されますが、海外のFX業者にてFX取引を行なった場合は分離課税が適用されず、仮想通貨と同じ「総合課税」として区分されます。
結論ですが、利益を多く出せば出すほどFXよりも仮想通貨の方が支払う税金が高くなります。
例えば、仮想通貨とFXでそれぞれ2,000万円ずつ利益を出したとすれば、FXの場合の税金は約400万円に納まりますが、仮想通貨の場合は約700万円(住民税含む)の税金が徴収される事となってしまいます。
しかし、少額の利益の場合は総合課税の対象である仮想通貨の方が税率を低めに抑えられるので、自身の利益額の規模によって良し悪しが大きく変わるでしょう。
FXに投資した方が良い人
仮想通貨に投資した方が良い人
以上が仮想通貨とFXの違いについてでしたが、どちらも一長一短があって良い点と悪い点がそれぞれあります。
しかし両者の大きな違いはその価格変動にあると言え、現状よりハイリスク・ハイリターンであるのは仮想通貨の方です。
以下の図のように、ビットコインは過去何度も「急騰」や「急落」を繰り返しており、ポジションによっては大きな利益・損失となります。(※チャートの期間は2019年2月7〜26日)
なので、自身のリスクの許容範囲によってどっちに投資するのかを判断するべきでしょう。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。