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本記事では、主流なテクニカル分析指標である「フィボナッチ・リトレースメント」について解説していきます。
この記事を最後まで読めば、フィボナッチの引き方や使い方、注意点までを知ることができるので、是非参考にしてみて下さい。
目次
フィボナッチリトレースメントとは、世界的に有名なフィボナッチ数列から計算される「フィボナッチ比率」に基づいて、トレンド相場において”どこで価格が反発するのか”を予測する為に用いられるテクニカル分析指標です。
フィボナッチ比率とは、「1,1,2,3,5,8,13,21,34,55・・・」といったように、隣り合う2つの数字の合計を足して作られる数列の事なのですが、自然界ではこの数式に基づいた姿のものが多く存在しており、これが本来あるべき美しい姿を表す為の比率だとされています。
出典:Wikipedia
実は、今や世界を代表する企業であるAppleやTwitterなどのロゴマークもこのフィボナッチ比率を意識して作られてます。(気になる方は是非調べてみてください。)
そしてこのフィボナッチ比率の考えを相場の世界に当てはめているのが「フィボナッチリトレースメント」であり、多くのトレーダーが意識するテクニカル指標となっているのです。
では、フィボナッチリトレースメントを使うメリットについて紹介していきます。
フィボナッチを使う事で、トレンド相場における「押し目」や「戻り目」を狙ったトレードを行う事ができます。
上昇傾向にある相場が一時的に下がること
下落傾向にある相場が一時的に上がること
相場において、一直線で右肩上がり・右肩下がりに進んでいくチャートは存在しません。
そこでは必ず上下しながらも一時的に上がったり下がったりしているからです。
そこでフィボナッチを使えば、トレンドにおける押し目や戻り目がどこで発生するのかを予測する事ができ、押し目が来たところで買いを入れる「押し目買い」、そして戻り目が来たところで売りを入れる「戻り売り」ができるようになります。
フィボナッチリトレースメントでは、フィボナッチ比率に基づいた「23.6%、38.2%、50%、61.8%、78.6%」といった数値の線が用いられます。
この数値を基準とすれば、「38.2%を抜けると段々と値動きが弱くなってくる」と判断したり、「61.8%を抜けると段々と現在のトレンドがもう終わりそうだな」といった見方もできるようになり、相場のトレンド転換を予測する際にも役立ちます。
また、上述した線はサポート・レジスタンスラインとしても活用する事ができ、各数値の線ごとに相場の反発が意識されやすくなります。
多くのトレーダーが意識する、相場がそれ以上は上昇しないのではと考えられる水準のこと。
多くのトレーダーが意識する、相場がそれ以上は下落しないのではと考えられる水準のこと。
以下のチャートを見ると、38.2%ライン、50%ラインのそれぞれで価格が反発している事が見て取れるでしょう。
このように、フィボナッチにおけるそれぞれの水平ラインがサポートライン・レジスタンスラインとして機能するようになります。
では以下よりフィボナッチリトレースメントの引き方について解説していきます。
フィボナッチの引き方は難しくありません。非常にシンプルです。
まずは直近のトレンドを見つけ出し、上昇トレンドの場合は安値をスタート地点として高値まで引っ張っていきます。
すると綺麗にフィボナッチが表示され、23.6%、38.2%、50%、61.8%、78.6%の順に水平なラインが敷かれます。
なお、下降トレンドの場合は反対にトレンドの始まりとなる高値からスタートして、安値を結びましょう。
この時、下降トレンドだとフィボナッチ比率の数値が上昇トレンドと逆になります。
「フィボナッチを引く時はヒゲと実体のどちらを起点に結べば良いの?」と思われるかもしれませんが、基本的に正解はありません。
ローソク足のヒゲを基準にして引くトレーダーもいれば、実体を基準にして引くトレーダーもいるので多種多様です。
ですが、ここで大切なのは、皆が意識している方法を活用することです。
なぜなら、より多くのトレーダーに意識されているものが最も有効性が高いからです。
なので、自身で実際にその有効性を確認しつつ、確度の高い方法でチャレンジしてみるのが良いでしょう。
TradingViewの場合、まずは画面左横にある横線のアイコンを選択し、そこから「フィボナッチ・リトレースメント」を選びましょう。
その後上述した通り、トレンドの安値から高値まで(下降トレンドの場合は高値から安値まで)を結び、横に移動させていきます。
bitFlyerでビットコインFXが可能な「bitFlyerLightning」の場合、拡大チャートの右横にある横線のアイコンをクリックした後、安値をクリックして高値まで引っ張り、ラインを広げていきます。
では、フィボナッチを用いた売買方法について解説していきます。
フィボナッチを使って上昇・下降トレンドが発生した際の「押し目買い」「戻り売り」を狙ってみましょう。
まずは起点から一旦の高値(安値)を結んでフィボナッチを引いた後、フィボナッチ比率によって分割されたラインで価格が反発した所を狙って売買します。
特に強いトレンドの場合は、フィボナッチの23.6%、38.2%の上位ラインで押し目となって高値(安値)を更新する事が多く、以下のチャートの場面では23.6%のラインで綺麗に反発し、「N」の文字を描いて高値を更新している事が分かります。
反対に下降トレンドの場合でも、23.6%で価格が反発すれば下降トレンドが継続されていく可能性が高いかもしれないので、ここで戻り売りでエントリーしてみましょう。
このように、フィボナッチを使えば「どこで価格が反発するか」を予測しながら売買する事ができます。
フィボナッチはサポートライン・レジスタンスラインとしても機能するので、各数値の価格帯に近づくと反発や反落が起きやすくなります。
上記チャートのケースだと、38.2%、50%のラインがサポートラインとして機能している事が分かります。
なので、トレンド後にフィボナッチの価格帯にタッチする事があれば、レジスタンスやサポート付近での反発を狙って売買してみるのも良いでしょう。
では、最後にフィボナッチリトレースメントを使う際の注意点についてみていきます。
これは実際にフィボナッチを用いて相場を見れば一目瞭然かもしれませんが、フィボナッチが必ずしも有効に作用するとは限りません。
例えば、フィボナッチを引いて「23.6%に達すれば反発するに違いない」と思っていても、以下のチャートのように下へ突き抜けてしまう時だってあります。
なので、このフィボナッチがいつ何どきでも必ず機能するというわけではない点に注意しておきましょう。
フィボナッチでは、23.6%や38.2%のラインであれば押し目や戻り目となって価格が反発しやすい傾向にありますが、一方で50%や61.8%といったラインまで来るとトレンド転換してしまう可能性が高くなります。
例えば下記チャートのケースの場合、高値から節目となる50%のラインを下抜けした後、ずるずると下降トレンドを辿っている事がわかります。
トレーダーの心理としては、23.6%や38.2%の時点であれば「まだトレンドが継続するのではないか」と考える人が多いかと思います。
しかし一方で、50%や61.8%まで来ると「もうそろそろトレンドが終わって転換するのではないか」と考える人も増えてしまうのです。
このようなケースだと、トレンドが継続するのか転換するのかについてが予想しにくく、そこからどちらへも動く可能性があるので、売買の際には注意が必要でしょう。
なので、フィボナッチ以外のテクニカル指標も同時に見ながら相場を分析していく事をおすすめします。
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フィボナッチリトレースメントのメリット
フィボナッチリトレースメントを使った売買方法
フィボナッチリトレースメントの注意点
フィボナッチリトレースメントはトレンド相場における押し目や戻り目を狙う際に必須のテクニカル指標であり、トレンド中に急に価格が下げ始めた時(または上げ始めた時)に「どこまで価格が下がる(上がる)の?」といった価格変動幅の予想をする事が出来ます。
なおフィボナッチは他のテクニカル指標である移動平均線や一目均衡表などと組み合わせて使うのも有効なので、是非合わせて試行錯誤してみてください!
※記事内のチャートはTradingViewから引用
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。