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本記事では、仮想通貨(ビットコイン)FXで多く用いられているテクニカル指標「MACD(マックディー)」についてを解説していきます。
この記事を最後まで読めば、なぜMACDが必要なのかや、その見方や設定方法、そしてMACDを用いたトレード手法までを知る事ができます。
目次
MACD(マックディー)とは、2本の移動平均線を利用して相場の周期やトレンド転換のタイミングを掴む為の指標であり、英語で「Moving Average Convergence and Divergence」と呼んでいます。
このMACDは単純な移動平均線よりも更に高度化された指標であり、テクニカル分析の中でも特に人気度の高い「オシレーター系分析」です。
では、以下よりMACDのベネフィットや移動平均線との違いについて紹介していきます。
MACDを使えば、単純な移動平均線を使うよりもより早く相場のトレンド転換のサインを探し出す事ができます。
MACDは移動平均線を用いたテクニカル指標なのですが、「単純移動平均線(SMA)」ではなく、直近の価格の比重を高めた「指数平滑移動平均線(EMA)」を使っています。
なお、MACDは移動平均線よりも実際の価格に近い値動きを表す為、売買サインが早く察知されるのが特徴です。
実際のチャートを見ると分かる通り、移動平均線を用いた売買シグナルの一つである「ゴールデンクロス・デッドクロス」の発生はMACDの方が単純移動平均線よりも早い事が分かります。
このように、MACDを使えば、移動平均線では掴めなかったトレンド転換のタイミングをいち早く掴めるようになるのです。
MACDは相場がトレンドに乗っている時は比較的「ダマシ」が少なく、単純移動平均線などの指標よりもその信頼性が高い事が特徴です。
ダマシ(fakeouts)とは、テクニカル分析において買い・売りのサインが出たものの、その後相場がそれとは異なる逆の方向に動いてしまうことを言い表す。
なお、MACDは相場の変化のタイミングを掴む為に活用される「オシレーター系分析」として分類されますが、他のオシレーター系分析の一つである「RSI」なども一緒に併用して見ていけば、より信頼性の高い売買サインを見つけ出す事ができるようになります。
では、MACDの見方を解説していきます。
MACDは基本的に2つの移動平均線と一つの棒グラフから成り立っており、それぞれ「MACD」「シグナル」「ヒストグラム」と呼んでいます。
MACDとは短期と長期のEMAの乖離を表す線であり、
「MACD=12日EMA(または9日)-26日EMA」で算出して表示されるのが一般的となっています。
MACDは直近の相場が過去と比較してどのくらい変動しているのかを表しています。
シグナルとはMACDのEMAの事を言い表しており、
「シグナル=MACDの9日移動平均線」となります。
シグナルはMACDの平均値をとっており、MACDと比較して相場がどのくらい変動しているのかを表しています。
ヒストグラムとは、MACDとシグナルの乖離率を表す棒グラフであり、
「ヒストグラム=MACD-シグナル」で算出する事ができます。
なお、MACDを見る上で特に重要な指標となるのがこのヒストグラムであり、棒グラフの数値が0以上なら強気相場、0以下なら弱気相場のサインとなる為、その数値が0を超えると「トレンド転換が発生する可能性が高い」と考えられます。
では、MACDを使った売買方法を紹介していきます。
MACDを用いてトレードを行う際に絶対押さえておくべきなのが「ゴールデンクロス・デッドクロスを狙って売買する」といった方法です。
ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上にクロスして抜ける事を言い、デッドクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下にクロスして抜ける事を言います。
※MACDの場合は、MACDがシグナルを下から上に上抜けした際にゴールデンクロスとなり、反対にMACDがシグナルを上から下に下抜けした際にデッドクロスとなる。
ゴールデンクロスが表れると下落トレンドから上昇トレンドへの反発の可能性が高くなり、デッドクロスが表れると上昇トレンドから下落トレンドへの反転の可能性が高くなります。
なので、これらのシグナルが発生すると売買する絶好のタイミングとなり得るのです。
そして、これらのゴールデンクロス・デッドクロスが形成された時は、ヒストグラム(棒グラフ)の数値が必ず「0」となります。
なぜかと言うと、ヒストグラムは「MACD-シグナル」で算出されますが、ゴールデンクロス、またはデッドクロスが起こるとその「MACD-シグナル」の値(乖離)が0となるからです。
なので、二本の線(MACD、シグナル)と棒グラフ(ヒストグラム)の両方を見ながら、トレンドが転換する節目を狙っていきましょう。
次に、MACDを使ってダイバージェンスを狙って売買する方法を紹介します。
「ダイバージェンス」とは、ローソク足チャートとMACDなどのテクニカル指標におけるトレンドが逆行していく現象です。
このMACDのダイバージェンスは出現頻度こそは少ないですが、発生した場合はトレンド転換の兆しとなる重要な指標です。
例えば直近の2019年の2月24日にかけて発生したダイバージェンスでは、価格がMACDと逆行しながら緩やかに上昇した後に一気に下落しています。
このように、ダイバージェンスが発生すると相場が反転する可能性が高まるので、より一層売買や決済のタイミングを測り安くなります。
では、各取引所やツール毎のMACDの設定方法を確認していきましょう。
TradingViewの場合、まず画面上にある「インジケーター」をクリックし、「MACD」と検索してMACDを選択しましょう。
その後はチャートの下にMACDが表示されるので、もしもMACDやシグナルの期間を設定したい場合は「設定(歯車)」をクリックして入力してください。
GMOコインのビットコインFXチャートの場合、チャート画面の左上にある「チャート設定」をクリックし、MACDを選択するようにしましょう。
なお、GMOコインのレバレッジ取引では「WebTrader」と呼ばれるトレーディングツールがありますが、そちらでも上述したTradingViewと同様、「インジケーター」からMACDと検索すればチャート下に表示させる事が可能です。
bitFlyerでビットコインFXが可能な「bitFlyerLightning」では、取引チャートにはじめからMACDが搭載されていますが、以下の図のように、チャート(拡大画面)の右上にある赤枠をクリックすると各移動平均線の期間の設定が行えます。
なお、MACDは仮想通貨取引所のアプリからでも確認する事が可能です。
例えばGMOコインの取引アプリの場合、以下のチャート画面から右サイドの赤枠をタップし、「単純移動平均線/MACD」と記載のある「テクニカル1」を選択すればMACDが表示されます。
また、DMMビットコインの場合であれば以下のチャート画面の右上にある赤枠をタップし、「MACD」を選択すれば表示できます。
MACDは「ダマシが少なく信頼性が高い」と上述しましたが、もちろん「ダマシ」が発生する時もあるので注意が必要です。
では、どんな時にダマシが発生しやすくなるのかと言うと、主に「角度が小さなトレンド時」と「レンジ相場」の2つです。
例えば以下のようなレンジ相場の際、MACDを見るとゴールデンクロスが形成されているものの、2本の線がほぼ横ばいなのでトレンドの判断がし辛くなっています。
MACDは移動平均線よりもトレンド転換のサインを早く掴む事が出来るといったメリットがありますが、その分ダマシもいち早く掴んでしまう可能性があるといったデメリットもあります。
特にレンジ相場では売買するタイミングが見つけ難く、ダマシも発生しやすくなるので注意しておきましょう。
なぜMACDを使った方が良い?
MACDを使ったトレード方法
MACDを使う際の注意点
以上がMACDについてでしたが、MACDは移動平均線よりも高性能であり、他のオシレーター系分析(RSIやストキャスティクスなど)と組み合わせればより一層有効性の高い分析を行う事も可能となります。
トレードで利益を積み上げる為にはとにかく勝率を上げていく事が大切なので、是非あなたもMACDを使って相場を分析してみてください!
※記事内のチャートはTradingViewから引用
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。