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本記事では、ビットコインFXの「追証(追加証拠金)」についてを解説し、各取引所における追証の「あり・なし」も全て紹介していきます。
これからビットコインFXを本格的に開始したいと考えている方にとって「追証」は非常に重要なポイントとなるので、是非最後まで読み進めてみてください!
目次
ビットコインFXにおける追証とは、「追加証拠金(追加保証金)」の略称であり、各仮想通貨取引所で定められている必要な証拠金維持率が一定水準を下回った際に追加で支払う証拠金のことです。
この追証制度は各取引所によって「追証あり・なし」といったようにそれぞれルールが定められていますが、追証がありの取引所の場合は証拠金以上の損失が発生した際にその損失を補填しなければなりません。
なお、この追証制度を事前に知っておかないと、思いもよらない損失を被る可能性もあります。
2018年1月、一人のトレーダーがビットコインFXで一日に1,600万円の損失を出し、追加の必要証拠金が450万円必要になったとTweetしました。
【報告】
ビットコインFXで日次マイナス1600万円喰らいました?
172万で30枚ロング、125万で強制ロスカット。
証拠金はマイナス450万円に。
3日以内に支払えとのことです。証拠金50%切ったら自動で切ってくれるんちゃうの…。CBからの追証は辛すぎる pic.twitter.com/rXiWeqHA75
— SINPY【投資用】 (@sinpyfx) January 16, 2018
これは相場の急変動にbitFlyerのシステムが追いつかず、一定水準を下回っても強制ロスカットが発動されなかった例です。
このように、レバレッジ取引における追証を知らないまま放ったらかしにしていると後で危険な事態にもなり兼ね無いので、しっかりと勉強しておきましょう。
「追証なし」の取引所であれば、文字通り追加証拠金の入金が必要ありません。
なので、追証なしの取引所を利用すればロスカットされるまで追加証拠金不要で取引を継続する事ができ、自分の元本以上の損失を被る事が無いので安心です。
>>>ロスカットとは?各取引所の定めるロスカットラインや証拠金維持率についてはこちら!
ただ、「GMOコイン」の場合は相場が急変して証拠金を上回る損失が生じた場合、その不足分を取引所に支払う必要があるので注意が必要です。(※詳しくは後述)
では、追証が「なし」の国内・海外の仮想通貨取引所を順に紹介していきます。※情報は2019年時点
GMOコインの仮想通貨FXでは追証が「なし」となってます。
GMOコインでは証拠金維持率が100%を下回った場合にロスカットアラートが通知され、証拠金維持率が75%を下回った場合に強制ロスカットが発動します。
但し、GMOコインでは各ユーザーの証拠金維持率を巡回しながらの監視がされている為、強制ロスカットの執行に時間がかかる場合があるとされています。
※参考:「追証」は発生しますか
要は、価格の急変によって証拠金維持率75%を下回ってもロスカットされない場合があるという事です。
なお、それによって自身の証拠金を上回る損失が出た場合、その超過額を「不足金」として支払わなければなりません。
なので、GMOコインを利用する際は「追証は無しだが万が一証拠金以上の損失が生じた場合には不足金を支払う必要がある」と覚えておきましょう。
DMMビットコインのレバレッジ取引では追証が「なし」となっています。
なお、DMMビットコインの場合は証拠金維持率が80%に設定されており、その維持率を下回るとロスカットが発動するようになっています。
また、DMMビットコインはレバレッジ倍率も最大5倍であり、ロスカットラインも比較的高めに設定されてるので、初心者にとっては安心して利用できる取引所だと言えるでしょう。
Liquid(リキッド)のレバレッジ取引でも追証が「なし」となっています。
Liquidはロスカットラインとなる証拠金維持率が110%と高めに設定されている為、「レバレッジ取引であまり大きな損失を出したくない」といった方に向いた取引所でしょう。
なお、ロスカットラインが高めに設定される事は、「大きな損失を被る事なくローリスクで取引ができる」といったメリットもありますが、一方ですぐにロスカットされてしまうので相場が大きく動いた際に機会損失となる可能性もあります。
そして、海外の大手取引所であるBitMEXのレバレッジ取引では追証が「なし」の「ゼロカットシステム」が採用されています。
ゼロカットシステムとは、自身の口座残高がマイナスとなった場合に取引所側が肩代わりしてくれるシステムの事です。
これによって、BitMEXでは自己資金以上の損失を被ることが無くなります。
このゼロカットシステムは主に海外のFX業者等が導入しているのですが、なぜこんなにトレーダーにとって好都合な事をするのかというと、顧客のリスクを業者側が負担する事でより多くの顧客を呼び込めるからです。
BitMEXは最大レバレッジ100倍までかけられるのが特徴の取引所ですが、同取引所では追証なしでこのゼロカットシステムが採用されているので、ハイレバレッジの取引でも比較的安心して取引することが出来ます。
海外の取引所であるCryptoGTも追証の制度が「なし」となっており、上述したBitMEXと同様「ゼロカットシステム」が採用されています。
なので、CryptoGTでの取引は口座残高以上の損失を請求される事はありません。
なお、CryptoGTは最大レバレッジ200倍までを掛けることが可能であり、その最大倍率はBitMEXを越えています。
さて、レバレッジ取引において「追証なし」の取引所を選ぶ際には、主に「ロスカットラインはどのくらいに設定されているか」「レバレッジ倍率は最大どのくらいまでなのか」の2つを見ておきましょう。
各仮想通貨取引所の定めるロスカットラインは以下の通りです。
取引所名 | ロスカットライン(証拠金維持率) |
---|---|
GMOコイン | 75%以下 |
DMMビットコイン | 80%以下 |
Liquid | 110%以下 |
BitMEX | 50%以下 |
CryptoGT | 100%以下 |
一般的にこのロスカットラインの数値が高い程損失リスクが低く、反対に数値が低い程損失リスクは高くなっていますが、自身のリスク許容度によってこの数値の良し悪しも変わってきます。
なお、上述した通りGMOコインは万が一証拠金以上の損失が生じた場合には不足金を支払う必要があるので注意が必要です。
各仮想通貨取引所の定めるレバレッジ倍率の最大値は以下の通りです。(※2019年2月9日現在)
取引所名 | レバレッジ倍率 |
---|---|
GMOコイン | 最大10倍 |
DMMビットコイン | 最大5倍 |
Liquid | 最大25倍 |
BitMEX | 最大100倍 |
CryptoGT | 最大200倍 |
当然ですが、レバレッジ倍率が大きいほどリスクが大きく、反対に倍率が小さいほどリスクは小さくなります。(※ここで言う「リスク」とは、損をする事ではなく「価格の振れ幅」のこと)
なので、もしも「大きなレバレッジを掛けるのは怖くて危ないから、レバレッジの上限が比較的低いところにしたい」というのであれば、レバレッジが最大5倍に設定されているDMMビットコインなどが良いでしょう。
なお、ロスカットラインやレバレッジ倍率以外にも、「スプレッド」や「レバレッジ手数料」なども重要な比較ポイントとなりますが、それらは以下のリンクにて紹介しています。
>>>各仮想通貨取引所のスプレッドやレバレッジ手数料を詳しく知りたい方はこちら!
一方、追証が「あり」の取引所の場合、各取引所の定める一定の証拠金維持率を下回った際に追加で証拠金を入金する必要があります。
追証がなしの取引所であれば自分の元本以上の損失を被るリスクがありませんが、追証ありの取引所の場合は証拠金不足時に取引所側から請求が来ます。
では、追証が「あり」の仮想通貨取引所を2つ紹介していきます。※情報は2019年時点
国内大手の取引所bitFlyerは追証が「あり」となっています。
bitFlyerにおけるレバレッジ取引では、証拠金維持率が80%を下回った際に以下のような「追証ルール」が適用されます。
1.すべての未約定の新規注文が失効(取消)される。
2.証拠金維持率が80%超となるように、3銀行営業日後の17時までに追加証拠金を入金しなければならない。
なお、指定の期日になっても追加証拠金の入金がなく、引き続き証拠金維持率が80%を下回っていた場合には、同取引所の定める「ロスカットルール」が適応され、保有ポジションが自動的に強制決済されます。
※2019年2月現在、bitFlyerは金融庁より業務改善命令を受けており、一時的に新規口座開設を停止しています。
BITPointも追証が「あり」の取引所です。
とは言っても、同取引所では証拠金維持率が100%未満になると強制ロスカットが執行される為、追証が発生することはほとんどありません。
しかし、相場の急変によってはロスカットが適用されても証拠金を上回る損失が生じる事があり、その際追証の判定時間である16時までに証拠金残高がマイナスであれば(証拠金維持率100%未満)追証が発生します。
BITPointでは出来る限り追証が発生しないよう設定されていますが、万が一相場が急変してしまった際は注意が必要です。
なお、証拠金維持率が120%を下回った際にはロスカットアラートが届くので、その際に十分な証拠金を予め入れておきましょう。
以上が各取引所の追証制度についてでしたが、レバレッジ取引を初めて行う方は「追証なし」の取引所で低いレバレッジ倍率から行っていく事をおすすめします。
特に最初の内は国内の取引所で低いレバレッジからスタートするようにしておき、慣れて来たら海外の取引所でハイレバレッジな取引に挑むのも良いでしょう。
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。