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本記事では、仮想通貨(ビットコイン)FXで多くのトレーダーに用いられる「トレンドライン」について解説していきます。
この記事を最後まで読めば、あなたもトレンドラインについてをしっかりと理解し、そのラインの引き方や注意点までをマスターする事ができるようになります。
目次
トレンドラインとは、チャート上に表示されているローソク足の高値、または安値同士を結んで引いた線の事です。
このトレンドラインは主に相場の流れ(トレンド)やその期間、トレンドの強弱などを知って、最適な売買タイミングを探し出す為に用いられています。
なお、トレンドラインは多くのトレーダーによって活用されている指標なので、市場参加者の「欲望」や「集団心理」が働く相場において無視はできない重要な指標となります。
では、一つずつその重要な知識を習得していきましょう!
トレンドラインには、主に「上昇トレンドライン」と「下降トレンドライン」といった2種類があります。
上昇トレンドラインとは、上昇相場におけるローソク足の安値同士を結んで描かれる線です。
下降トレンドラインとは、下落相場におけるローソク足の高値同士を結んで描かれる線です。
では、なぜトレンドラインを引いた方が良いのかについてを順に解説していきます。
トレンドラインを用いる事によって、現在の相場が上昇相場なのか下落相場なのか、それとも揉み合いのレンジ相場なのかといった市況を正確に把握する事ができます。
相場の動きは主に「上昇・下落・横ばい(レンジ)」の3パターンがありますが、その基本的な戦略は至ってシンプルであり、「上昇トレンド=買い」「下降トレンド=売り」「横ばい=様子見」の3つです。
例えばあなたが何かのスポーツの試合における勝敗を賭けるとしたら、基本的にそのチームの過去の実績に基づいて予想をするのではないでしょうか。
過去に何回も勝っているチームであれば、「次も勝つだろう」と考えるのが一般的です。
なので、トレンドに従って売買をするという事は、「連日勝っている(負けている)チームは明日も勝つ(負ける)だろう」と考えてスポーツの勝敗を予想するのと同じ戦略なのです。
なお、このような戦略の事を「順張り」と言います。
トレンドラインをチャートに入れていく事で、その相場におけるトレンドの期間や強弱などを一目で把握する事ができます。
下記のチャートではオレンジ色が上昇トレンドライン、ピンク色が下降トレンドラインとなっていますが、それぞれの市況によってラインの長さ(期間)や傾き度(価格の変動幅)が異なっている事がわかります。
理想的なトレンドの傾きは大体「45度」だとされており、傾きが急すぎると急降下の恐れがあり、反対に傾きが弱すぎるとトレンドではなく横ばいのレンジ相場である恐れがあります。
なお、トレンドラインの長さも重要な指標となり、トレンドの期間が長い程重要なトレンドの波が来ていると捉える事ができます。
トレンドラインは単に相場の方向感を探るだけでなく、そのラインが「サポートライン・レジスタンスライン」としても機能します。
サポートライン(下値支持線)とは、そのライン付近まで下がると相場が反発する線の事であり、レジスタンスライン(上値抵抗線)とは、そのライン付近まで上がると相場が反転する線の事です。
なのでトレンドラインを引く事で、その相場における価格の反発や反転の予想にも活用する事ができます。(もちろん、いつかはトレンドラインを下抜け(上抜け)していく事となるので注意が必要です。)
では、なぜトレンドラインがそういったサポート・レジスタンスといった節目で反発するのかというと、それは「多くのトレーダーが同じようにトレンドラインを引きながらトレードをしているから」です。
これは株式やFX(外国為替)のトレードにおいても同じですが、チャートの向こう側には血眼になって利益の獲得を狙うトレーダーがたくさん存在しています。
その中にはトレードを専業としている人も多く潜んでおり、「相場のプロ」と呼ばれるような強者が当たり前のように存在しているのです。(しかし、株やFXの世界と比べると仮想通貨トレードにはまだプロトレーダーが少ないと言われています。)
そして、そのようなトレーダーの多くがこのトレンドラインを意識しているからこそ、トレンドラインの節目で反発が起こりやすくなるのです。
これは「相場は集団心理で動く」という原理から成り立っており、多くのトレーダーが利用しているからこそ価値のある指標となっています。
トレンドラインの引き方ですが、まずはチャート上に存在する高値同士、または安値同士を結んでいきましょう。
なお、トレンドラインはライン上で反発・反転しているものが有効となるので、ラインの途中でローソク足の実体を跨がないように線を描くのがポイントです。
ここで、「チャート内のローソク足におけるヒゲと実体のどちらを線で結べば良いの?」と疑問に思うかもしれませんが、基本的には高値・安値である「ヒゲ」を結ぶべきでしょう。
しかし、トレンドラインの引き方に明確な定義や正解などは無いので、実体を結んだトレンドラインを引いても間違いではありません。
むしろ、「ヒゲは突発的な売買の痕跡に過ぎない」と言って、実体のみを結ぶトレーダーもいるくらいです。
ですが、なるべく多くのトレーダーが使っているトレンドラインに自分も合わせて行く必要があります。
なぜならトレンドラインは他の多くのトレーダーが意識しているからこそ有効性が高くなるものなので、自分だけ違ったトレンドラインを引いてもほとんど意味が無いからです。
では、トレンドラインを用いた売買方法についてをいくつか見ていきましょう。
まずはトレンドラインにタッチした際の価格の反発を狙って売買してみましょう。
トレンドラインは多くのトレーダーが意識するポイントなので、価格がラインにタッチした際に上昇相場なら「買い」、下落相場なら「売り」が強く意識されるようになります。
例えば下記チャートのような下落トレンドの場合、一時的な上昇によってトレンドラインにタッチしたポイントを狙って「売り」を入れます。
そしてトレンドラインを抜けると上昇相場へと転換する事も考えられるので、チャートのローソク足がトレンドラインを上抜けしたタイミングで決済しましょう。
上記のケースだと、ビットコインの約2万円の利ざやを獲得できた事になります。
このように、上昇相場や下降相場はトレンドラインに沿って価格を上下させており、その価格の反発は”トレンドが続く限りは”発生し続けます。
但し、トレンドライン上で反発せずにいきなり下抜け・上抜け(ブレイク)するケースももちろんあるので、ここの見極めがトレンドラインを使う上で非常に重要となります。
次に、2本のトレンドラインを利用したトレード方法を紹介していきます。
レンジ相場では、そのチャートが三角形のようになり(価格の振れ幅が徐々に小さくなる)、一本のチャートに上昇トレンドラインと下降トレンドラインの両方を引くことが出来る状態となる事があります。
これを「三角保ち合い」と呼んでおり、三角保ち合いが形成されるとその頂点で価格がどちらかに大きく動く場合があります。
この三角保ち合いが発生するといずれ上昇トレンドライン・下降トレンドラインのいずれかをブレイクする可能性が高まります。
なお、三角保ち合い時に下降トレンドラインを上抜けた場合を「三角保ち合い上放れ」と呼び、上昇トレンドラインを下抜けた場合を「三角保ち合い下放れ」と呼んでいます。
三角保ち合い上放れのケースだと、以下のチャートのように下降トレンドラインを上抜けした後に価格が上昇する傾向にあります。
なので、下降トレンドラインを上抜けした時点で買いを入れるのがベストです。
一方三角保ち合い下放れのケースだと、以下のチャートのように上昇トレンドを下抜け下後に価格が下落する傾向にあります。
この場合は、価格が上昇トレンドラインを下抜けしたタイミングで売りを入れると良いでしょう。
次にトレンドラインを引く際の注意点を紹介していきます。
トレンドラインは多くのトレーダーが意識する指標である為、上昇トレンドラインなら「サポート(支持線)」、下降トレンドラインなら「レジスタンス(抵抗線)」として機能するとお伝えしましたが、全てのトレンドで常に価格の反発が起こるとは限りません。
そもそも一本のトレンドラインがそのまま一生右肩上がり(もしくは右肩下がり)に続く事はないので、いつか必ず終わりを迎えます。
よって、いつかはトレンドラインを上抜け(下抜け)してしまうという事を前提にトレードを考えていかなければなりません。
相場を動かしているのは「市場参加者の集団心理」なので、「価格がトレンドラインにタッチし始めたから反発するのではないか」と言う人もいれば、一方で「いや、そろそろこのトレンドも終わりだ。もう時期ブレイクするに違いない」と考える人もいるわけです。
なので、必ずしもトレンドラインに近づけば価格が反発するわけでは無いという点だけ注意しておきましょう。
実際のローソク足がトレンドラインをブレイクすると、そのトレンドが終了して「トレンド転換するのではないか?」と期待が高まってしまいますが、「トレンドラインをブレイクした=トレンド転換のサイン」というわけではありません。
例えば以下のBTC/JPYのチャートのように、トレンドラインをブレイクした後再び安値を記録してしまう事もあるのです。
なので、トレンドラインをブレイクした後の売買は十分に注意しておきましょう。
トレンドラインはなぜ引いた方が良い?
トレンドラインを用いた売買方法
トレンドラインを引く際の注意点
以上がトレンドラインについてでしたが、仮想通貨トレードにおいて最も勝ちやすいのはレンジよりもトレンドです。
なので、今回紹介したトレンドラインは、現在がトレンド相場なのかを知った上で最適な売買タイミングを探し出す為の大切なツールなのです。
「”Trend is Friend”(トレンドは友達)」
これは「イングランド銀行を潰した男」としても知られるアメリカの大物投資家ジョージ・ソロスの格言です。
トレードで勝つ為には、トレンドに従い、逆らわずに行っていく事が非常に重要となってきます。
>>>続けて「移動平均線の見方」についても知りたい方はこちら!
※記事内のチャートは全てTradingViewから引用
キャッシュレスPAY編集長。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 新卒で大手総合金融機関であるSBIホールディングスに入社し、広告の運用やマーケティングに従事。 その後11ヶ月で退職して、現在は前職で培ったフィンテックやFPに関する知識を活かし、キャッシュレス決済に関する研究を続けている。